これまで4回にわたり、業務文書のシステム的な制作手法における世界標準であるDITA(Darwin Information Typing Architecture)の概要、特徴、実際の運用などを説明してきた。最終回の今回は、DITA運用に必要な制作環境について解説する。

 文書部品であるトピックを、その構成情報であるマップで組み合わせ、出力時にスタイルを定義して最終成果物を作るのがDITAの制作手法である。その工程に応じて、以下の4つのITツールが必須となる。

[1]エディター(DITAエディター)
トピックとマップを作成するためのDITA専用エディター
[2]CMS(DITA-CCM)
エディターで作成したトピックとマップを管理するためのコンテンツ・データベース。複数の担当者が分担して執筆を進める場合には、担当者間の作業分担も管理する
[3]自動組版(Publishing Engine)
エディターから出力されたXMLコンテンツとスタイルシートを組み合わせて、最終成果物を作成するシステム
[4]多言語化支援(翻訳メモリー)
複数の言語に翻訳する場合、翻訳作業を効率的に、かつ高品質に進めるための翻訳作業支援システム

 この4つについて、以下それぞれを解説していく。

* 筆者らが属するDITAコンソーシアムジャパンは、DITAに関するユーザー事例や技術情報を紹介するセミナー「DITA Festa2014」を2014年11月4日(火)・5日(水)に富士ゼロックス本社(東京・六本木の東京ミッドタウン)で開催する(参加費無料、事前登録必要、定員200人)。詳しくはDITAコンソーシアムジャパンのWebサイトを参照。