半導体の動作には物理限界があり、いつか微細化は止まる。その“いつか”が、いよいよやってきそうだ。少し前から聞くことが多くなった「More than Moore」はそれに対する備えの一つだ。最近では、微細化が止まったり、その進行がかなり遅くなることを見越して、半導体製造業界の大手2社が経営統合した(日経テクノロジーオンライン関連記事1)。アプリケーションによっては、すでに微細化は実質的に止まっている。実際、最先端プロセス(関連記事2)で作られるICは、スマートフォン向けのSoCやマイクロプロセッサー、メモリーなど、それほど種類は多くない。他のアプリケーションへの展開もさほど期待されていない。

 微細化が止まれば、半導体業界はもちろん、エレクトロニクス業界、さらには自動車業界といった周辺業界にも少なからぬ影響が出ることは何となく想像が付く。では、「その影響がどの程度のものか」と言われると、筆者を含めて多くの方が口ごもってしまうだろう。そこで、日経テクノロジーオンライン誕生の記念として、識者が予想した微細化停止後の世界を、期間限定で無償公開する。

 今回、期間限定で無償公開するのは、半導体情報を網羅したオンラインサービスの「日経BP半導体リサーチ」の記事である。日経BP半導体リサーチは、4人の識者の予測をコラム「SCR大喜利」で紹介した。各識者には次の三つの質問を投げた。

【質問1】半導体(主にCPUのようなロジックLSIを想定)の微細化はいつごろ、どのような理由で止まると考えられますか?
【質問2】微細化が止まったとすると、人々の暮らしや社会基盤にはどのような影響を与えると考えられますか?
【質問3】微細化が止まったとすると、コンピュータや電子機器は何を基軸として進化すると考えられますか?

 4人の識者の回答はそれぞれ1本の記事にまとまっている。無償公開は2014年5月6日まで。ぜひ、早めの閲覧をお勧めする。