2014年も第2四半期に入り、EMS(電子機器受託製造サービス)/ODM(Original Design Manufacturer)業界では、米Apple社のスマートフォン「iPhone」の2014年モデルの生産や発売時期、出荷規模を巡る動きが慌ただしさを増してきた。

 当社のウェブサイト閲覧には会員登録が必要2週間無料で読める試用会員も用意)における閲覧数のランキングを見ても、4月第1週は上位10本のうち3本をiPhone関連のニュースが占めたのだが、首位になったのは、iPhoneの次世代モデル「iPhone 6」の出荷時期が固まったという話だった。iPhone 6の部品供給業者が集積する台湾市場では最近、外資系の証券会社や投資銀行の間でiPhone 6のサイズと量産時期の情報が集約されてきた、というものである。

 iPhoneのサイズは2012年モデルの「iPhone 5」でそれまでの3.5型から4型に拡大されたが、2014年に出るiPhone 6からはさらなる大型化が図られるとともに、2つのサイズが用意されるという観測がなされている。ただ、今回出てきた情報では、2サイズ同時の量産・出荷にはならず、小さい方の4.7型が2014年7月、大きい方の5.5型が同年9月から量産に入るという見方で一本化されつつあるという。

 台湾の経済紙『工商時報』(2014年4月8日付)によると、シティグループ証券台湾の陳思維アナリスト(IT産業担当)は最新レポートの中で、iPhone 6発注台数が2014年で9000万台に上ると予測。iPhoneの既存モデルからの買い替えが一気に進むとの見方を示した。さらに陳氏は、9000万台に上るiPhone 6発注のうち9割をEMS世界最大手の台湾Hon Hai Precision Industry社〔鴻海精密工業、通称:Foxconn(フォックスコン)〕が受注するとの見方を示している。