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融合する「生物」と「エレクトロニクス」

中道 理=日経エレクトロニクス
2014/04/14 05:00
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 生命を維持する仕組みとエレクトロニクス技術は遠いところにあるもの――。ずっと、そんな感覚を持っていました。しかし、最近、その考え方が大きく変わりました。進化の過程で出来上がった生命の仕組みと、人間の創意工夫で積み上げてきたエレクトロニクス技術は実はとても似ている。今は、そんな風に感じています。

 考えを変えたきっかけは、 日経エレクトロニクス2014年4月14日号の特集「生物エレクトロニクスの誕生」に関わったことです。この記事には、昆虫の脳からの信号で動くロボットや、昆虫の体液で動作する燃料電池、微生物を使った燃料電池などが出てきます。これらの事例から、生物は酸化還元反応、つまり電子のやり取りで生命活動を維持していることを再認識できます。この電子の動きをうまく利用すれば、生物とエレクトロニクスを融合させることができるのです。

 これまで、生命や生物の仕組みの利用と言えば、生物を外から観察し、力学・構造の特性や、材料の特性をまねるといったことでした。しかし、電子のやり取りのレベルまで解明していけば、生物の一部機能をそのまま使ったエレクトロニクス製品というものができます。その応用例の一つが、先に述べた昆虫の脳で動くロボットです。ちょっと気味悪くもありますが、現在の技術では生物が持つのと同じ能力を実現できない以上、同じ能力をエレクトロニクス製品に持たせるために、生物の一部をそのまま活用するというのも、一つの道ではないかと思い始めています。

 じゃあ、生物とエレクトロニクスを融合させて何をするかですが、例えば、昆虫の優れた嗅覚器を活用して麻薬を検知してその方向に向かっていくロボットを作ったり、高速で飛んでもぶつからないハチの脳を利用した自律移動ロボットを作ったりできます。もちろん、各社がしのぎを削る自動運転者の心臓部を開けてみたらハチの脳がそのまま入っていた、というのはSFだけの話だとは思いますが。

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