カリフォルニア州上院議員のBill Monning氏
カリフォルニア州上院議員のBill Monning氏

 自動車をインターネットに接続する「コネクテッド・カー」の話題のうち、「自動車から発生するデータは誰のものなのか」という問題は難しいテーマである。2014年3月18日、米カリフォルニア州上院議員のBill Monning氏が新しい法案を提案し、このテーマに一つの答えを出した。それは「自動車の持ち主が、データをどこに送るかを管理する権利がある」というものだ。もし、Monning上院議員の法案「Consumer Vehicle Information Choice and Control Act (SB-994)」(同法案)が法律となれば、法的に自動車の持ち主に自分の自動車から発生するデータの管理が委ねられ、データの転送先などを決めることができるようになる。

自動車データは「宝の山」

 この話題が注目されたのは、自動車から発生するデータはかなり価値が高いものになると評価されているからだ。すでに市場に回っている電動自動車のほとんどは専用の無線モデムが装備されていて、自動車の位置や速度、電池状態などのデータを電動自動車メーカーに転送している。メーカー側では、こうしたデータを基に、自動車が走れる距離を把握し、自動車の修理時期を予測する。さらに、自動車の新モデル設計などにも利用していると言われている。

 短期的には、こうしたデータはメーカーと関連ディーラーのサービス向上のために利用されて、タイムリーなアフターサービスを推奨することで、ディーラーの売上を向上させる期待が大きい。長期的には、運転手に電子コマースなどのサービスを提供したり、センサーから得たデータを地図などに反映させるといったことから、新しい売上を発生させることも期待されている。