長年、半導体の進化のドライバーであり続けてきた微細化技術は今、限界に近付きつつあるとされる。もし本当に微細化が止まってしまったら、電子機器の進化、さらには人類社会には何が起こるのか。日経BP半導体リサーチのコラム「SCR大喜利」で、4人の識者が意見を出し合った(表1)。

 今回のSCR大喜利では、「微細化終焉後の人間社会を展望する」をテーマとして、以下の三つの質問を半導体技術者や、業界の動きを常に追うコンサルタント、研究者など4人に投げかけて意見を募った。

【質問1】半導体(主にCPUのようなロジックLSIを想定)の微細化はいつごろ、どのような理由で止まると考えられますか?

【質問2】微細化が止まったとすると、人々の暮らしや社会基盤にはどのような影響を与えると考えられますか?

【質問3】微細化が止まったとすると、コンピュータや電子機器は何を基軸として進化すると考えられますか?

 回答者は、以下の通り。

湯之上隆氏  微細加工研究所 所長
「人類が滅亡するまで微細化は続く」参照

清水洋治氏  某半導体メーカー
「実装技術と電力低減が次なる進化軸に」参照

田口眞男氏  慶應義塾大学 特任教授
「「半導体ビジネスの分離」は未来の潮流に逆行する」参照

いち半導体部品ユーザー氏  某ICT関連企業
「回路の大規模化から数による分散化へのシフトが進む」参照

表1●「微細化終焉後の人間社会を展望する」をテーマにしたSCR大喜利での回答
4人の識者に投げかけた三つの質問に対する回答をまとめた。
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