アクセス記事ランキング(2/6~3/9)
産業機器・部材
1 堀江さん、スマホ革命でロケットの未来はどうなります?
2 「ISO13482」の発行は、介護ロボット産業にどんな影響をもたらすのか
3 JAXA、静かな超音速機の実現に向けた落下試験の失敗原因を発表---風洞試験で得たデータの補正量を見誤る
4 東京電力、福島第一原発に三菱重工製ロボットを投入---除染やサンプル採取を実施
5 趣味から道具に変わる無人ヘリ
6 炭素繊維強化熱可塑性プラスチック(CFRTP)
7 三菱電機、低コストのCFRP製造技術を産業機器に展開
8 三菱電機、粉じんやホコリだけでなく水滴や氷雪の付着を防げるコーティング技術を開発
09 安川電機、介護ベッドと車イス間の移乗アシスト装置を開発
10 「福祉はまさに情報産業」、クラウドを用いた介護サービスで急成長中のグッドライフケア
11 常識を覆す合金製造法、ナノ粒子でロジウム代替材料
12 ニコン、太陽熱を利用したMg還元の実証実験を宮崎で開始
13 三菱樹脂、軽量で曲げ加工のできる鏡面複合板材を発売
14 ついに目覚める 最後の軽量金属Mg
15 セルロース・ナノファイバー(CNF)
16 新幹線早期地震検知システム
17 生活支援ロボの国際安全規格「ISO 13482」が正式発行
18 積水ハウスとマッスル、住宅内での介護ロボットの応用を共同研究
19 デンソー、豊田市で非接触充電システムの実証実験を実施
20 パナソニックとダイフク、生活支援ロボットの安全規格ISO13482の認証を世界で初めて取得

 航空宇宙工学は今でも理系の学生に人気があるようですが、日経テクノロジーオンラインのテーマサイト「産業機器・部材」におけるここ1カ月ほどのアクセスランキングを見る限り、航空・宇宙へのあこがれは皆さん大人になっても抱き続けているのかもしれません。最もよく読まれたのは、ライブドア元代表取締役で実業家の堀江貴文氏に宇宙開発事業について尋ねた「堀江さん、スマホ革命でロケットの未来はどうなります?」でした。航空・宇宙関係では、他にも「超音速機」や「無人ヘリ」など興味深い記事が上位に来ています。

 自身が手掛ける宇宙開発事業について語る堀江氏。その戦略は、実に明快でした。大まかに説明すると、目標は「1000万~2000万円と非常に低額で人工衛星を打ち上げられるようにする」、コスト削減を実現するための方策は「スマートフォンなど民生機器向けの部品を採用したり、3Dプリンターで部品を造ったりする」というものです。

 堀江氏を取材した日経ものづくりの池松記者は後日、「ホリエモンのイメージが変わった」と題する記事を執筆しています。取材前は「若きワンマン経営者」というイメージだったのに対し、取材後は「技術を見る冷静な目や知識の幅広さ」が印象に残ったとのこと。しかし、この「サイトマスター便り」を書いている私(高野)は、逆に堀江氏に抱いていたイメージがより強固になりました。そのイメージとは、「目標に向かって(堀江氏自身が合理的だと思うやり方によって)最短経路で突き進む人」というものです。

 人工衛星の打ち上げコストを低減するために堀江氏が取った方策は、理にかなっているように見えます。とはいえ、実際には人工衛星やロケットに詳しい人ほど、信頼性や実現性などの観点から反論があるかもしれません。私が感じているのは、宇宙開発の話題に限らず堀江氏が「極端な戦略」(同氏はそう思っていないでしょうが)をぶち上げ、既存事業者の人たちがさまざまな「反論」を行うことで、結果として産業の発展を妨げていた問題があぶり出されるという可能性です。

 個人的に興味深いのは、こうしてあぶり出された問題を誰が解決し、事業で先行するのかということです。堀江氏なのか、既存事業者なのか、それとも漁夫の利を狙う第三者なのか。いずれにせよ、堀江氏のように議論を巻き起こす人がいなければ物事は始まらないわけで、今後も同氏からは目が離せないと感じたインタビューでした。