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HOME日経エレクトロニクスエディターズ・ノート > 今、量子ドットが熱い

エディターズ・ノート

今、量子ドットが熱い

  • 田中 直樹=日経エレクトロニクス
  • 2014/03/05 05:00
  • 1/1ページ

 日経エレクトロニクス最新号(2014年3月3日号)に、量子ドット技術に関する解説記事を執筆しました(日経エレクトロニクスDigital読者限定記事へのリンクはこちら)。量子ドットとは、数n~数十nmの大きさを持つ化合物半導体や酸化物半導体の微粒子です。もともと、3次元すべての方向から移動が制限され、狭い空間に閉じ込められた電子の状態を指す概念として、1980年代の初めに提唱されました。その後、このような電子状態を実現する数n~数十nm径の半導体の微粒子を量子ドットと呼ぶようになりました。

 この量子ドットが、液晶の色を鮮やかに、そして消費電力を低減できる技術として、注目を集めています。ソニーが2013年6月に発売した液晶テレビの上位機種のバックライトに導入したのに続き、米Amazon.com社が同年10月に発売したタブレット端末(日本での発売は11月)の液晶ディスプレーのバックライトに取り入れました。米Apple社も関心を寄せており、量子ドットを用いたディスプレーに関する三つの特許を出願したことが、2014年2月に米国特許商標庁(USPTO)が発表した特許出願情報から明らかになりました。

 液晶ディスプレーのバックライトにおける量子ドットの役割は、青色LEDからの光の波長変換を行い、望む光の色を得ることです。特徴は、量子ドットの粒子(結晶)の大きさによって光の色を、長い方の波長であれば自在に制御できること。粒子の大きさによってバンドギャップが決まるため、大きさが一様にそろった量子ドットを用意すれば、スペクトルのピークの鋭い、色純度の高い発光が得られます。これによって、ディスプレーの色再現性の向上や低消費電力化が実現可能になっています。

 このような特徴は、液晶ディスプレーのバックライト以外にも利用できそうです。例えば、プロジェクターの光源用途です。プロジェクターの高輝度化、色再現性向上、高コントラスト化に貢献できると考えられます。また、曲げられる照明や自発光ディスプレー用途への応用も想定されます。

 さらに、二次電池への展開が話題になっています。日本マイクロニクスとグエラテクノロジー(本社神戸市)が共同で量産化技術の開発に成功した、新原理による二次電池「battenice」です。化学電池ではなく量子技術を用いた物理電池に分類されるもので、絶縁膜で覆ったn型金属酸化物半導体の微粒子を充電層に用いたものです。日本マイクロニクスによれば、全てが固体からできた電池であるため液漏れの心配がない、可燃性の材料を使わないので熱暴走による発火の心配がない、レアメタル/レアアースを使わないので資源調達にも不安がない、などの長所があるといいます。Tech-On!の記事も大きな反響を呼びました(Tech-On!関連記事)。量子ドット技術の今後から目が離せません。

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