設計力向上 開発手法と支援ツールの動向・事例
 

アクリフーズにみるマネジメントの欠陥

イノベーションを起こせる人材について森岡謙仁氏に聞く(第2回)

荻原 博之=日経テクノロジーオンライン
2014/03/24 00:00
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 前回、アーステミア社長の森岡謙仁氏は、多くの企業が現在好調な業績を残しているものの本当の実力は予断を許さず、3年後、5年後を見ないと判断できないと指摘。熾烈なグローバル競争の中で真の実力を身に付けるには、イノベーションを継続的に起こす力が必要とした。その上で同氏は、イノベーションを新製品/新サービス開発と業務改革という2つのアクションを両立させることと定義した。(聞き手は、荻原博之=日経テクノロジーオンライン)

――日本の製造業が業務改革をできない原因、別の言い方をすればイノベーションを阻害している一番の原因というのは、どこにあるのでしょうか。

森岡氏:私は、経営者に限らず、係長、課長、部長といった、1人でも2人でも部下を持つ管理者たちが自己流のマネジメントに終始し、グローバル・スタンダードになっているような基本のマネジメント技術をおろそかにしている点に、業務改革を進められない真の原因があるとみています。

アーステミア社長の森岡謙仁氏

 それを実感したのが、冷凍食品に農薬が混入された、アクリフーズ(本社群馬県・大泉町)の事件です。同社はマルハニチロホールディングスという大企業のグループ会社の一員として、2009年にISOの食品安全マネジメントシステムISO22000の認証を取得しています。従って、会社としてはこの規格に沿ってトレーサビリティーやHACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)対応などを実施してきたはずですが、事件を未然に防ぐことはできませんでした。なぜか――。

 私はその原因を考えるに当たって、経営者と、卑劣な行為に及んだ従業員の同僚の2人の発言に注目しました。まず、記者会見に臨んだ経営者は、「彼(農薬を混入させた従業員)は後輩の面倒見もいいし、仕事もきちんとやるし、非常に前向きである」といった旨のことを述べました。一方、テレビのインタビューを受けた同僚は、「彼は会社に対する不満をたくさん口にしていた」と、経営者の発言とは異なる側面を明かしました。つまり、この差こそが、マネジメントが欠落していることの証しなのです。要は、マネジメント層が部下のことを知らない。これは、致命的で実に恐ろしいことです。

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