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HOMEエレクトロニクス電子デバイスNE ジャパン・ワイヤレス・テクノロジー・アワード 2014 > テラヘルツの「壁」を破り2THzも視野に、高周波化と高出力化で世界をリード

NE ジャパン・ワイヤレス・テクノロジー・アワード 2014

テラヘルツの「壁」を破り2THzも視野に、高周波化と高出力化で世界をリード

東京工業大学 大学院総合理工学研究科 物理電子システム創造専攻 浅田研究室

  • 日経エレクトロニクス
  • 2014/03/05 00:00
  • 1/2ページ

NEアワード候補技術紹介(5):
1.42THzで発振する共鳴トンネルダイオード

東京工業大学 教授の浅田雅洋氏(左)と、今回の研究を主導した同研究室 助教の鈴木左文氏(右)

 東京工業大学 大学院総合理工学研究科 物理電子システム創造専攻教授の浅田雅洋氏の研究室は、室温で動作し、発振周波数が1.42THzの共鳴トンネルダイオード(RTD)素子を開発した。

 RTD素子は、量子井戸構造を備えた半導体と共振器を組み合わせて電磁波を発振させる素子である。これまで、RTD素子の発振周波数は2013年5月にキヤノンが発表した1.40THzが最大だった。今回はこれを超えた上で、発振出力をキヤノンの素子の10倍超~数百倍と大幅に高めた。

 室温でテラヘルツ波を発振するRTD素子の応用範囲は広い。例えば、数百Gビット/秒の伝送速度を備える超高速の無線通信や、封筒内の危険物などのセキュリティー検査などが実現可能になると見込まれている。

THz帯の谷に橋をかける

1THz前後で発振するRTDチップの試作例
[画像のクリックで拡大表示]

 最近までRTD素子の発振周波数には、“1.1THzの壁”が存在していた。

 RTD素子に限らず、約1T~約10THzのテラヘルツ帯は、室温で発振する素子や装置がなかったことから「THzギャップ」と呼ばれてきた。特に、周波数が1.1T~1.3THz付近は、極低温で動作するp-Geレーザー素子以外は発振素子がなく、テラヘルツ波の利用にとって大きな課題だった。1.3THz以上の周波数でも極低温でしか満足に動作しない発振素子が多い。

 こうした中、浅田研究室は室温で動作するRTD素子の高周波化と高出力化で世界をリードしている。同研究室のRTD素子の最大発振周波数は、2012年夏までは1.08THzだったが、同年9月に1.31THzの素子を発表。そして今回1.42THzの素子を発表した。

 発振出力は発振周波数が1.42THzの場合に約1μWである。周波数が1.40THzの場合に数十nWだった従来の値を大幅に超えた。周波数が1.1THz付近では、出力が30μW前後になる。これはRTD素子としては極めて高い出力だ。

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