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エディターズ・ノート

データセンターの「スパゲッティー配線」がなくなる?

  • 中島 募=日経エレクトロニクス
  • 2014/02/24 05:00
  • 1/1ページ

 コンピューターシステムが広く普及した今、データセンターは私たちの生活にとって必要不可欠な存在となっています。社会システムを支える重要なインフラとして、最新のエレクトロニクス技術が惜しみなくつぎ込まれます。例えば最近ですと省電力化のために、他の分野に先駆けて直流給電システムの導入が始まっています。

 データセンターを運営する多くの事業者にとって、悩みの種の一つがサーバー機につながる通信ケーブルの取り回しです。先日、ある事業者を取材にをしたときに「ケーブルがなくなれば運用が相当楽になる」と聞きました。データセンターのサーバーラックに数百から数千ものサーバー機を格納するには、ケーブルも膨大な数になるからです。サーバー機の増設を重ねたりすると、ケーブルが「スパゲッティー状態」になることも珍しくないそうです。

 そんな事業者の悩みを解消しようとする動きが出始めています。サーバー間の通信を無線化する試みです。データセンター内の通信を無線化するなんて「絵空事」と思われるかもしれませんが、IT業界のビッグプレイヤーである米Microsoft社や米IBM社も検討を始めていて、IEEEなどの学会で論文を発表しています。

 現在のデータセンターでは10Gビット/秒のEthernetが広く使用されていますが、これを2.4GHz帯や5GHz帯の無線LANで置き換えるのは現実的ではありません。現行の最新規格であるIEEE802.11acであっても、最大通信速度の理論値は6.9Gビット/秒です。そこでMicrosoft社や米IBM社は、60GHz帯などのミリ波を用いてデータセンター内のネットワークを無線化する研究を進めています。ミリ波は2.4GHz帯や5GHz帯よりも広い帯域幅が使えるため、技術的にも10Gビット/秒超の無線通信が可能だからです。

 ミリ波よりもさらに高帯域の「テラヘルツ波」をデータセンターに活用する検討も始まっています。テラヘルツ波を使えば100Gビット/秒級の無線通信が可能になると言われています。IEEE802.15のワークグループ内で100Gビット/秒のワイヤレス・パーソナル・ネットワーク(WPAN)の標準規格化を検討している「Study Group 100 Gbit/s Wireless」(SG100G)では、100Gビット/秒のWPANの有望な用途の一つとして無線データセンターが挙がっています。今後はデータセンター事業者の意見なども聞いて、100Gビット/秒のWPANの規格化に取り組んでいくそうです。

 日経エレクトロニクスの3月17日号特集では、こうした無線データセンターをめぐる動きを取り上げます。無線データセンターの検討が始まった背景や活用が期待視されている無線技術の動向を探り、実現の可能性を検証する予定です。ご興味のある方はぜひご一読いただければ幸いです。

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