製造業が大きな変革を迎える中、工場もその姿を急速に変えようとしています。5年後、10年後、20年後、そしてその先の工場はどうなっているのか。国内外の最新事例や識者の見解などから工場の将来像を描きます。
Factory 20XX
製造業が大きな変革を迎える中、工場もその姿を急速に変えようとしています。5年後、10年後、20年後、そしてその先の工場はどうなっているのか。国内外の最新事例や識者の見解などから工場の将来像を描きます。
目次
-
FA機器のスマート化、カギは「ソフトウエアPLC」にあり
モーション制御ボードの開発を効率化したハイバーテックの事例
工場のスマート化に向けて注目されているものの1つに「ソフトウエアPLC」がある。ソフトウエアPLCは、文字通りPLC(Programmable Logic Controller)の機能およびその周辺機能を備えるソフトウエアだが、狭義にはPC上で動作するものを指すことが多い。
-
何のためにものづくりを良くするのか
JEMA「製造業2030」の狙いを取りまとめ役に聞く
IoT(Internet of Things)によって将来の製造業はどうなるのか――。そんな問題意識の下、企業や業界の枠を超えた議論を展開しているのが、日本電機工業会(JEMA)の「スマートマニュファクチャリング特別委員会だ。これまで2回にわたり公表してきた提言書「製造業2030」の概要や、3年目を…
-
ロボットの理想形は「iPhone」
人との協働に向けて、誰でも使える直感的なデバイスになる
人とロボットの協業を実現する上での中心的な課題は何か。Haddadin氏によれば、人とロボットの物理的なやり取り(インタラクション)を高度化することだという。インタラクション自体は、ロボットにさまざまなセンサーを付けることで把握できるようになってきた。しかし、センサーで取得できるのはあくまでデータで…
-
結局のところ、「つながる工場」とは何なのか
知的財産や言語の課題を乗り越える良い「シナリオ」作り
そこでIVIが取り組んでいるのは、良い「シナリオ」を作ることである。シナリオとは、つながる工場で目指したいこと、例えば予知保全のような比較的抽象度の高い目的に対して、「誰がアクター(現場で行動する人)か」「どのようなモノや情報があるか」を洗い出し、モノや情報の流れに沿って矢印を加えていく。そうするこ…
-
製造業のサービス化は販路拡大のチャンス
これまでは顧客が欲しい機能をハードとして作り込まなければならなかったわけですが、それをソフトで顧客が自由に決められるようにすることで、これまで十分にアプローチできていなかった業界や地域を新たに開拓できるようになります。
-
IoTが促す製造業のサービス化、その準備はできているか
価値の源泉がモノ(製品)からコト(サービス)に移る――。古くから叫ばれ続けてきたテーマではあるが、IoT(Internet of Things)によってそれが一気に実現しようとしている。しかし、製造業にその準備はできているだろうか。
-
IoT時代の電子部品、今と同じ造り方でいいのか
あえて国内工場に投資するTDKの危機意識
「電子部品は今後もどんどん進化していく。それなのに、10年前と同じような造り方のままで本当にいいのか」――。なぜ国内工場に投資するのかという問いかけに、TDK代表取締役社長の石黒成直氏はこう答える。
-
ロボットの絶対的な革新は「中国」と「電機」で起きる
インダストリー4.0の旗手が語るデジタル革命(後編)
Lampa氏は、今後の産業用ロボットの進化を促すものとして幾つかのテーマに言及した。同氏がまず取り上げたテーマは、中国である。Reuter氏も述べていた通りKUKAグループにとって中国は重要な市場だが、Lampa氏によればその中国市場で労働環境に大きな変化が起きているという。具体的にはスキルワーカー…
-
中国企業に買われたKUKA、その戦略とは
インダストリー4.0の旗手が語るデジタル革命(前編)
「Industrie 4.0」(インダストリー4.0)の主要企業が中国資本に――。中国家電大手のMidea Group(美的集団)によるドイツKUKA社の買収は、産業界のみならず政界までも巻き込む大きな出来事だった。2016年8月、Midea GroupはTOB(株式公開買い付け)によってKUKA社…
-
シスコがファナックに期待すること
業界のリーダー企業と組む、それがIoT事業の戦略
「Industrial Internet」や「Industrie 4.0」の波に乗ってか、国内外のさまざまな企業が産業用IoTに関連した製品やサービスを相次いで打ち出している。その際、開発や事業のパートナーとしてたびたび登場するのが米Cisco Systems社だ。
-
物流でロボット革命、ピッキング業務は自動化できるか
じわり広がる「MUJIN inside」
「ロボット革命」という言葉がある。既存のロボットを高度化・知能化して用途を広げることがロボット革命なのだとしたら、それは物流の現場で真っ先に起きるのかもしれない。今、あるロボットベンチャーの存在感が物流業界で急速に高まっている。
-
DMG森精機、スマートファクトリー実現への挑戦
工作機械でも始まるビジネスモデルの転換
「今、大手自動車メーカーと実証実験をしているが、工場の稼働率が数%レベルで上がる。これを全世界でやりたい」。声のトーンがほんの少し上がったような気がした。DMG森精機が大手自動車メーカーと進めているスマート工場のプロジェクトについて、同社取締役社長の森雅彦氏が紹介したときのことだ。
-
機器メーカーはソフトウエアで稼げるようになれるか
ジェムアルトが考えるIoT時代のビジネスモデル
IoTで収益を上げるのに必要なのは、価値の源泉であるソフトウエアの「ライセンシング」や「エンタイトルメント管理」。それは、ソフトウエア企業に限らず、機器メーカーも例外ではない――。
-
ドイツの技術を惜しみなく投入した中国の自動化工場
Siemens社が誇る、もう1つの最先端デジタルファクトリー
「ここは、本当に中国の工場なのか」――。記者がSEWCを訪れたとき、“上から目線”だと怒られるかもしれないが、それでもそう思わざるを得なかった。とはいえ、記者の第一印象はあながち間違っていないはずだ。なぜなら、SEWCにはアンベルク工場で採用している技術や手法がそっくりそのまま持ち込まれているからで…
-
多品種少量でもロボットは使える
ピッキング業務の自動化を目指すアスクル
「アマゾン(米Amazon.com社)に伍(ご)していくために、我々はテクノロジーカンパニーになる」――。2016年6月下旬、個人向けインターネット通販の新サービスを発表する場で、アスクル代表取締役社長 兼 CEOの岩田彰一郎氏はこう力強く宣言した。その同社が重視する技術の1つが、「ロボティクス」で…
-
日本のものづくりは、IoTでもっと成長する
IIC参加の狙いをInfosys社のIoT事業トップに聞く
産業用IoT(Internet of Things)の普及を推進するIndustrial Internet Consortium(IIC)の大きな特徴として、「テストベッド」の存在が挙げられる。テストベッドは、IICに参加する複数の企業が共同でIoTソリューションを具体的なシナリオに基づいて検証し、…
-
標準づくりを見ているだけの日本、もっと積極的な参加を
産業用IoTの普及を目指すIndustrial Internet Consortiumのトップに聞く
産業用IoT(Internet of Things)の推進団体として世界の先端を走るIndustrial Internet Consortium(IIC)。そのIICが、2016年6月に日本で大規模な公開フォーラムやメンバーミーティングを開催した。その狙いについて、IICのExecutive Dir…
-
「つながる」産業インフラに迫るサイバー攻撃のリスク
IoT時代のセキュリティー対策とは
産業インフラへのサイバー攻撃は増加傾向にあります。先日も、米国ミシガン州の電力事業者がランサムウエア(システムへのアクセスを制限し、金銭などを要求するマルウエアの一種)の感染被害を受けたばかりです。最近の特徴として、特定の組織や施設に関する情報を狙った「標的型」と呼ばれる攻撃が目立ちます。産業インフ…
-
デンソーはなぜ工場のIoT活用を急ぐのか
2020年、「ダントツ工場」実現に向けた道筋
世界130工場、15万人の知恵を「つなげる」ことで、2020年までに生産性を2015年比で30%高める――。今、デンソーは圧倒的な競争力を持つ「ダントツ工場」の構築を急速に進めている。その中核技術として同社が位置付けているのは、IoT(Internet of Things)だ。デンソーが工場における…
-
人とロボットの協業は「ライオンを解き放つようなもの」
だからこそ求められる次世代の安全技術
例えば、こんな解決策はどうだろうか。ロボットは隔離されておらず、自動運転している。3日前に配属されたばかりの新人作業者が近づくとロボットは停止する。一方、作業や安全のことを知り尽くしたベテラン作業者が近づくと、ロボットは速度こそ落とすものの、稼働し続ける。すなわち、人の習熟度に合わせて制御を切り替…