かつて聖域と言われたR&D(研究開発)領域のマネジメント改革が、当たり前に取り組まれる時代になっています。しかし、改革にチャレンジしながらも苦戦する企業も増えています。この理由の1つに、R&Dは他の領域に比べて改革事例があまり知られていないため、他社と同じような失敗をしてしまう企業が多いことが考えられます。R&Dの業務は周囲から見えにくい上、マネジメントの考え方や方法が抽象的になりがちなことが、なおさら失敗につながりやすいと言えます。
このような現状を打破するための試みとして、デロイト トーマツ コンサルティング(著者が執筆時に所属)のメンバーがこれまで目のあたりにしてきた改革の失敗事例、成功事例を紹介します。ともすれば事例情報は「考えない人ほど事例をあてにして、表層的に真似をして失敗する」と批判されることもありますが、事例は自分なりに咀嚼すれば貴重な財産になる情報です。本連載では、咀嚼の視点と合わせて事例情報を提供していきます。
PwCコンサルティング合同会社 シニアマネージャー
PwCコンサルティング合同会社 シニアマネージャー