日経テクノロジーオンライン(Tech-On!)のテーマ・サイト「ディスプレイ」で、この1カ月間(1月17日~2月16日)によく読まれた記事の上位20本は、右表のようになりました。くしくも上位3記事は、従来のディスプレイの利用場所とは異なる場面を想定した新技術の記事です。
第1位の「窓ガラスがレーザープロジェクターのスクリーンに?...」は米Massachusetts Institute of Technology(MIT)が開発した技術を報じたものです。Agナノ粒子をガラスなどのスクリーンに薄く塗布することで、プロジェクターのスクリーンになるというものです。見た目には透明なのに、一部の波長の光だけを反射することで映像を映し出すスクリーンにできる技術です。
第3位の記事もこれに似ています。こちらは、1月29~31日に東京ビッグサイトで開催された「nano tech 2014」において、富士フイルムが展示した「WAVISTA」という透明フィルムを紹介しています。窓ガラスなどにWAVISTAを貼り特定波長の光だけを反射させることで、スクリーンを実現します。
こうした透明な板をプロジェクターのスクリーンにする技術は、自動車の窓ガラスをヘッドアップディスプレイ(HUD)として使ったり、ガラス越しの展示物にデジタルデータを多重表示する用途のほか、各種AR(拡張現実感)に利用できそうです。
第2位の記事が取り上げた技術は、もっとユニークです。霧状の水蒸気を発生させ、そこに映像を表示しようというもので、1月7~10日に米ラスベガスで開催された2014 International CESに展示されました。さらに12位の記事で紹介しているように、プロジェクターが照射する光を細かく調整することで、外光が差し込むまぶしい場所でも見やすい映像が表示できれば、どんな場所にでも映像を表示できるようになるかもしれません。