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HOMEスキルアップマネジメント華麗なる技術者 > とがったアイデアは、なぜ丸くなる?

華麗なる技術者

とがったアイデアは、なぜ丸くなる?

泥臭く新しいコンセプトを嗅ぎ分けるリーダー、東信和氏(下)

  • 加藤 幹之=Intellectual Ventures 上級副社長兼日本総代表
  • 2014/03/17 00:00
  • 1/7ページ

 前回から日本たばこ産業(JT)のたばこ事業本部でイノベーション推進担当を務める東信和氏を紹介している。研究者として、たばこの煙のにおい成分を分析する研究を進め、「嫌なにおいを抑えたたばこ」の基礎技術を開発。現在は、大企業におけるイノベーション創出の枠組みを、実際のチームを率いながら体現することに挑戦している人物だ。(前回のコラム「においの研究者、イノベーションを志す」はこちら

東信和氏。JT たばこ事業本部 事業企画室 イノベーション推進担当 部長。
[画像のクリックで拡大表示]

 東氏の経歴を見ると、入社からこれまでの仕事は大きく二つに別れている。まず、研究者として自ら煙の中のにおい成分を嗅ぎ続けるという苦行にも似た泥臭い研究を続けた研究開発の仕事。そして、その後に携わった企業の研究開発部門の管理職としてのマネジメント業務である。

 企業研究者の歩む道としては、よくあるケースになるのだろう。ただ、東氏は研究者としての活動と、管理職としての取り組みという両面を経験する中で、大きな一つのテーマを考えるようになった。「なぜ、大企業では多くの要素技術が日々生まれているのに、なかなかイノベーションにつながらないのか」という命題である。

 もちろん、多くの企業研究者や技術者は普段の活動の中で、この命題について考えることがあるだろう。しかし、自分で解決策を考え、大企業という巨大組織の中で実行に移している技術者は少ない。前回も紹介したように東氏は2012年4月にイノベーション推進チーム「iCOVO(アイコーボー)」を立ち上げ、自らの知見に基づいた解決策を実際に体現している。

 JTでは、2012年度からの中期経営計画を策定する議論の中で、以前から語られてきたイノベーション重視の姿勢を組織として具現化した。その取り組みが、iCOVOである。このチームの枠組みをつくる人材として、東氏に白羽の矢が立った。「たばこは比較的同じような製品をつくっていて、イノベーションからは遠い分野という印象がある。そうした会社としての反省が背景にあります」と、東氏は説明する。

 東氏が率いるチームの特徴は、自分たちで頭をひねり、開発したコンセプトを経営トップに直接ぶつけられるという点にある。そして、経営トップがそれを承認したら、チームの提案は技術開発やマーケティング、製造の部門を巻き込んで実行に移されるという権限を持っているのだ。

 チームの最も大きなミッションは、会社の戦略からは離れて、日常業務の中からはなかなか生まれてこないコンセプトを打ち出すことである。東氏の言葉を借りれば、「とがった新商品のコンセプトをつくり上げること」だ。そのためには、十数人の少数精鋭チームが経営トップにコンセプトを直接提案できる環境が必要だった。東氏がこの枠組みに行き着いたのは、研究開発の取り組みの中で「とがったコンセプトを、そのままの姿で経営トップに伝えること」の重要性を強く感じていたからだ。

 東氏は、大企業の研究開発からイノベーションが生まれにくい理由として、大きく三つの阻害要因があると分析している。

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