ロケット開発を語る堀江貴文さん
ロケット開発を語る堀江貴文さん
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ロケットにスマホの技術?

 こんなふうにぎこちなく始まったインタビューでしたが、彼が現在、取り組んでいるロケット開発プロジェクトの内容に話が及ぶと、彼は「こんなに楽しいことはない!」といった表情で語り出しました。私たち(2人で取材をしていました)は、そんな彼の話にどんどん引き込まれていったのです。

 大筋はこんな感じでした。

 将来は多くの人が宇宙に行ける世の中にしたい→そのためにはロケットを低価格で製造する技術が必要になる→既存のロケット用部品は高額→価格を下げるにはスマートフォンのようなコモディティー化している製品の部品を積極的に採用すべき→ただしそのような部品は必ずしもロケットに最適ではない→不足部分は別の技術で補う…といったことです。

 詳細はぜひ高橋記者の記事「堀江さん、スマホ革命でロケットの未来はどうなります?」でお読みいただきたいのですが、驚いたのは、彼のロケット技術に対する造詣の深さでした。その知識は、素材から加工方法、部品調達といった基盤的な内容から3Dプリンターなどの最新技術にまで及びます。個人的には特に、「価格を下げるためにコモディティー製品の部品を使う」といったお話は、非常に理にかなっていると感じました。

 経営誌に所属していた頃は、「若きワンマン経営者」というイメージの強かった堀江さん。でも、実際に会ってみて、技術を見る彼の冷静な目と知識の幅広さにこれまでのイメージが一変しました。「何事も自分の目で確かめないと分からないな」。そんな記者の基本も思い出させてくれたインタビューになりました。

■変更履歴
記事掲載当初、近鉄バファローズの表記に誤りがありました。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2014/02/14]