「LEDの次はレーザ、Audiが見せたクルマのヘッドライトの将来像」。テーマサイト「クルマ」における今回(期間:2014年1月10日~2月6日)のアクセスランキングで1位に輝いたのは、この記事だった。
ポストLEDに隔世の感
実は、筆者は『日経ものづくり』の前身である『日経メカニカル』の2002年9月号で、「LEDがクルマの顔を変える」という解説記事を執筆している。当時は、自動車のヘッドランプの光源といえば、白熱電球やハロゲン電球、ディスチャージバルブが主流の時代。ただ、LEDの発光効率が白熱電球を超えて蛍光灯に迫るところまで上昇してきていたことから、研究開発の現場では、自動車のランプにLEDを採用しようという取り組みが活発になってきていた。
LEDは、光源の物理的な大きさが小さい。故に、それらの配置を工夫することで、細長いライン状に光るライトやリング状に光るライトなどデザイン面で新規性を出しやすい。さらに、ランプの奥行きを薄くできる、消費電力を減らせる、光源の寿命を延ばせるなどのメリットもあり、多くの自動車メーカーや自動車ランプメーカーが注目していたのだ。そして、今では、LEDは自動車ランプに当たり前のように使われるようになっている。
そのLEDが、今度は、部分的かもしれないがレーザーに置き換わる可能性が出てきたのだ。まさに、隔世の感がある。前出のAudiの記事によれば、「レーザはLEDに比べて高輝度で発光する白色光源を得ることが可能。このため、ヘッドライトの光学系の小型化やデザインの自由度向上などが期待できる」という。 レーザーが主流になるころは、今とはさらに一味違った顔のクルマが登場してきているのだろうか。