アクセス記事ランキング(12/30~1/26)
半導体
1「スマホにTransferJet」、東芝が"超小型"の無線通信モジュールと"極薄"のカプラを開発
2エルピーダを買収したMicron、「先端メモリの開発には日本人技術者の力が欠かせない」
3ポジティブな半導体再編に必要なこと
4半導体生産能力ランキング、トップ3はSamsung、TSMC、Micron
5「論理合成の時とは、ここが違う」、高位合成の現実を経験10年の富士通QNETが語る
63次元IC
7半導体世界売上高の年間3000億米ドル突破がほぼ確実に、13年11月に3カ月連続で過去最高を更新
8「GaNパワー素子は有望だが時期尚早」、Infineon社が見解
9“超”高信頼をうたうメモリー、ルネサスが開発
10曲面タッチスクリーンを持つ自動車のセンターコンソール、Atmelがコンセプトを発表
11Audiの車に近々搭載、Tegra 3/4ベースのタブレット、インフォテインメント機器、インパネ
12中国モバイル市場編●4Gスマホとファブレットが市場を牽引
13半導体テスト技術者検定 3級
14次世代パワー半導体、この1年――素子開発の競争が激化、アジア勢の参入相次ぐ
15ミニマルファブ
16東レ、中空構造のデバイスを小型・高密度化できる封止用感光性ポリイミド接着フィルムを開発
17ADASや自動運転向けに、192コアのGPUを搭載したモバイル・プロセサをNVIDIAが開発
18AMDがパソコン向けプロセッサー「Kaveri」を発売、初のHSA対応品
19エルピーダが2月末日で「マイクロンメモリ」に
20基地局向けRFトランジスタで自動車の燃費を向上、フリースケールがダイハツなどとプロジェクト

 日経テクノロジーオンラインの半導体関連サイト「半導体デバイス」「半導体製造」「EDA」に投稿された全記事(アナログ、日経BP半導体リサーチ記事を含む)の中から、直近4週間(2013年12月30日~2014年1月26日)で最もアクセス数が多かった記事は、「『スマホにTransferJet』、東芝が"超小型"の無線通信モジュールと"極薄"のカプラを開発」でした。

 東芝はさまざまな実装技術を駆使することで、スマートフォン向けに「世界最小」(同社)のTransferJetモジュールを実現しました。まず、カプラをフレキシブル基板で実現し、厚さを0.12mmに抑えつつ、カプラと通信モジュールの間の配線も同じフレキシブル基板に一体化しています。これにより、最厚部の寸法を従来比1/10以下に薄型化しました。さらにフレキシブル基板の絶縁材料に誘電率が低い液晶ポリマーを採用。液晶ポリマーではめっきが付きにくい課題に対し、分子接合技術を利用して直接めっきを施しています。

 無線通信モジュールでは、TransferJet対応の無線通信ICをモジュール基板内部に埋め込みました。このIC内蔵基板技術によってモジュールの面積を大幅に削減しています。しかも、寄生容量と寄生インダクタンスの影響をモジュール・サイドで対策するだけではなく、ICの設計変更でも対処している点が大きな特徴です。これはICとモジュールを両方設計しているIDM(垂直統合型半導体メーカー)ならではの強みといえるでしょう。東芝の半導体・実装技術者の底力を感じさせられます。

 アクセス・ランキング第2位の記事は「エルピーダを買収したMicron、『先端メモリの開発には日本人技術者の力が欠かせない』」でした。エルピーダメモリは2月末で社名が「マイクロンメモリ ジャパン(英語表記:Micron Memory Japan)」に変わります(第19位にランクインした関連記事)。寂しいと感じる読者の方も多いと思いますが、優秀な技術者がどんどんリストラされていく状況よりはずっと健全ではないでしょうか。

 米Micron Technology社 Chief Executive OfficerのMark Durcan氏はインタビューの中で「エルピーダの技術者は非常に強力。Micronが世界第4位の半導体メーカーとして技術開発を加速させる上で、日本人技術者の力は欠かせない」と語っています。広島の拠点では引き続き先端DRAMの開発および初期の生産立ち上げを担うとともに、秋田の拠点では先端のパッケージングおよびテスティングを担当する予定です。Micron社は今後、TSV(Si貫通ビア)を用いた3次元IC技術の開発も加速する考えです(第6位にランクインした関連記事)。これからも日本人技術者の活躍に期待したいと思います。