家電・モバイル ボリュームゾーンの最新動向を知る
 
スマホ革命、電動革命を支える縁の下の力持ち

スマホ革命、電動革命を支える縁の下の力持ち

高熱伝導絶縁材:“熱い”デバイスの急増で存在感が高まる

星野 達也=ナインシグマ・ジャパン
2014/03/18 00:00
印刷用ページ

 電子機器の放熱技術の研究開発が、再び熱気を帯びている。普及が著しいスマートフォン、タブレット端末のような携帯機器に用いられるマイクロプロセッサーはもちろんのこと、LED照明や、自動車のヘッドランプ、シートヒーターの駆動用パワーICなどの用途が広がった。電気自動車(EV)用のパワーデバイスのような新しい用途も生まれている。電子デバイスによる発熱への対策が大きな需要を獲得できる可能性が出てきたのだ。

 これまでも電子機器の放熱は、「縁の下の力持ち」として、さまざまな形で対策が施されてきた。しかし、発熱量の大きな電子デバイスの急増が、放熱技術の研究開発に求められる水準を一気に引き上げようとしている。電子デバイスの安定した動作を保証するには熱をうまく逃がす必要がある。動作スピードが低下したり、劣化による破壊につながったりしやすくなることに加え、最悪の場合は煙が出たり、発火したりする危険が高まるからだ。

電子デバイスの放熱で高い熱伝導性と絶縁性を兼ね備えた「高熱伝導絶縁材」が注目を集めている
[画像のクリックで拡大表示]

 例えば、LEDは輝度が上がると発熱量も大きくなる。発熱によってLEDの発光素子自体が影響を受けるという問題と同時に、素子の周囲にある封止パッケージなどの劣化も進む。このため、輝度の向上は放熱技術の進歩とセットでなければならない。自動車の電気化を支える炭化ケイ素(SiC)のような次世代パワー半導体も同様だ。シリコン(Si)デバイスに比べて2~3倍の電流密度で動作できるため、発熱量は格段に増大する。

 スマートフォンのように身体の近くで使う携帯機器やウエアラブル機器の増加による生体への影響を指摘する見方もある。ノートパソコンを膝に乗せて仕事をしているうちに不安になるほどパソコンが熱くなっていたり、携帯電話で長話をした際に電話本体の温度が高くなったりといった経験は少なくないだろう。熱くなったパソコンを膝に乗せ続けていると男性の生殖機能に悪影響を及ぼすという説や、熱い携帯電話を長時間、耳に当てていると不快感のみならず、低温やけどの危険性があるという説もあるほどだ。

 発熱量の大きな電子デバイスを用いる製品分野が広がるに伴い、放熱技術のさらなる改良が待ったなしの状況になっている。研究開発が活発な分野は、電子デバイスが発生した熱を効率良く逃がす放熱材料である。特に関心を集めている技術分野は、高い熱伝導性と絶縁性を兼ね備えた「高熱伝導絶縁材」である。

ここから先は日経テクノロジーオンライン会員の方のみ、お読みいただけます。
・会員登録済みの方は、左下の「ログイン」ボタンをクリックしてログイン完了後にご参照ください。
・会員登録がお済みでない方は、右下の会員登録ボタンをクリックして、会員登録を完了させてからご参照ください。会員登録は無料です。

メガトレンド2015-2024 ICT・エレクトロニクス編

クラウド、人工知能、ビッグデータ、IoT…。ICT・エレクトロニクスの新しい潮流とは?

「メガトレンド2015-2024 ICT・エレクトロニクス編」は、成熟期に近づいたエレクトロニクス分野が、バイオ、脳科学、ICT、情報サービスといった萌芽・成長分野と融合する新しい潮流を洞察します。ムーアの法則終焉と市場ニーズの多角化を分析し、大変化が起こるクラウド、IoT、人工知能、3Dプリンター、ロボット、ロジスティクス、ビッグデータなどの未来像を予測分析。10年後のICT・エレクトロニクス産業の姿を提示します。

詳細・ご購入は >>> こちら

マイページ

マイページのご利用には日経テクノロジーオンラインの会員登録が必要です。

マイページでは記事のクリッピング(ブックマーク)、登録したキーワードを含む新着記事の表示(Myキーワード)、登録した連載の新着記事表示(連載ウォッチ)が利用できます。

協力メディア&
関連サイト

  • 日経エレクトロニクス
  • 日経ものづくり
  • 日経Automotive
  • 日経デジタルヘルス
  • メガソーラービジネス
  • 明日をつむぐテクノロジー
  • 新・公民連携最前線
  • 技術者塾

Follow Us

  • Facebook
  • Twitter
  • RSS

お薦めトピック

日経テクノロジーオンラインSpecial

記事ランキング