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エディターズ・ノート

「知りたい」けど「壊したくない」、淡い期待を砕いた部材

  • 中島 募=日経エレクトロニクス
  • 2014/01/22 05:00
  • 1/1ページ

 世の中には、仕事のためなら最新機器を躊躇せずに分解できる人と、そうでない人がいると思います。私は関心がある分野の機器は「使わない」と分かっていても変に愛着を持ってしまうタイプなので、どちらかといえば後者に属します。

 日経エレクトロニクスの2014年1月20日号の解説記事を執筆するにあたり、「もったいない」という気持ちを押し殺してタブレット端末4機種を分解しました。米Google社が2013年7月に発売した「Nexus7」、米Amazon.com社が同年10月に発売した「KindleFire HDX7」、そして米Apple社が同年11月に発売した「iPad mini Retina」と「iPad Air」です。

 日経エレクトロニクスは定期的に分解記事を掲載していますが、自分が担当したのは初めてです。最近のデジタル機器は部品点数が少なくシンプルな構成になっているケースも多いので、「分解後に元の状態に組み立て直すことができるかもしれない」という淡い期待を抱いていました。

 しかし、その期待を打ち砕いたのが各種部品を固定する接着剤でした。いずれの端末も、液晶パネルのカバーガラスやLiポリマー2次電池などを固定するために、強力な接着剤が使われていました。それらの接着部分の多くは、一度剥がしてしまうと元に戻せません。つまり一度バラバラに分解してしまったら、組み立て直すのはまず無理なのです。

 「1台3~5万円もする機器を壊していいものか」と躊躇しましたが、記事を書くために背に腹は変えられません。分解に協力していただいた専門家や技術者の方々とともに、分解用の治具やヒートガン、薬品などを駆使して接着部分を剥がしました。作業中にカバーガラスが割れてしまったり、2次電池が破損しかけたり、メイン基板のはんだがヒートガンの熱で一部溶けてしまったりと、分解記事を初めて担当した身としてはヒヤヒヤの連続でした。

 分解に協力してもらった技術者によると、近年のスマートフォンやタブレット端末は、軽量化のために金属ネジの代わりに接着剤を用いるケースが増えているそうです。特にiPad miniとiPad Airについては、メイン基板も筐体に接着しているという徹底ぶりでした。3Mなど化学メーカーにとって、こうしたモバイル端末向けの接着剤のビジネスは右肩上がりで成長しているとのこと。今後は、こうしたネジから接着剤への置き換えがさらに加速する可能性もありそうです。モバイル機器の部品・部材の市場動向はある程度は把握していましたが、「実際に分解してみないと分からないことも多い」ことを思い知らされました。

 今回の分解の詳細は、冒頭に述べたように本誌1月20日号で解説記事として掲載しました。「大手3社タブレット分解、ここまで違う設計思想」というタイトルで、各端末に使用されている部品や、そこから垣間見えるGoogle社、Amazon社、Apple社の端末設計に対する考え方を分析しています。興味を持たれた方は是非、ご一読いただければ幸いです。

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