この年末年始(12月23日~1月15日)に、日経テクノロジーオンライン(Tech-On!)のテーマサイト「家電・PC」で最も読まれた記事は、「iPhone報道、変わる主役」。上海在住のEMS(電子機器受託製造サービス)専門家で、EMSOne編集長の山田泰司の人気コラム「上海発・EMS通信」の最新版です。

 米Apple社が新製品を出す前には、どこからともなくうわさが現れ、まことしやかに広がっていくことが、この数年の風物詩になっています。現在、同種の記事では情報の出所がEMS関連筋であることが多い。いわく、「工場のラインを増設した。それは、iPhoneを受注したから」「工場労働者の採用が増えた。それは、iPadを受注したから」「〇〇技術の技術者が引き抜かれている。だから、iPhoneにその技術が搭載される」…などなどなど。

2014年は主役が変わる年?

 山田氏の記事は、今年の年明け早々に話題の主役が例年と変わったと指摘しています。Apple社が2014年に発売するとのうわさがある次世代機種は「iPhone 6」。これまで主役はiPhoneの製造を担ってきたEMS世界大手の台湾Hon Hai Precision Industry社(鴻海精密工業)でしたが、今回は様相が違うそう。詳細は山田氏の記事に譲るとして、2014年はエレクトロニクス業界、特に家庭や個人用の機器の分野に変革が起きそうな気配があります。

 アクセスランキングの上位20位の記事のうち約半分の9件を占めたのは、1月7~10日に米国ラスベガスで開催された民生機器関連の展示会「2014 International CES」に関するもの(関連記事「ポスト・スマホは、クルマかウエアラブルか」)。ランキング上位に入った記事は、家電の主役だったテレビや、大手メーカーによる新製品・新技術の提案がほとんどですが、実際に参加した印象では陰の主役は別のところにありました。