単独のグリッドパリティ実現はかなり先

 実は、一般的に「太陽光発電はグリッドパリティに近い」という場合の発電コストには、「出力変動をカバーして使いこなすためのコスト」は含まれていない。FITでは、この「出力変動コスト」を火力発電所の出力調整という形で電力会社が負担していた。

 北海道や沖縄本島では、新規のメガソーラーの設置には大型蓄電池の併設が前提となっているが、これはすでに出力変動のコストが顕在化していると言える。「グリッドパリティモデル」が経済的に成り立つためには、このコストを含めたうえで購入電力より安くなる必要がある。

写真2 北海道稚内市のメガソーラーに設置された大型蓄電池
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 NEDOの同技術白書でもこの点に触れており、「蓄電池などを使った出力安定化システムを低コスト化することで、2030年までには太陽光発電単独でのグリッドパリティを目指す」としている。同白書は、コストの高い蓄電池の設置を前提にしているため、中長期的に大幅なコストダウンは難しいとみている。