大量のセンサーのイメージ
出展:『NIKKEI MICRODEVICES』2006年8月号
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 毎年1兆個規模の大量のセンサーを社会が消費し活用する。そうした近未来のセンサー社会を構成するセンサーを「トリリオン・センサー(trillion sensor)」と呼ぶ。1兆個は、現在のセンサー需要の100倍に当たり、人類が毎年平均150個を使う数である。カバー範囲が桁違いに広いセンサー・ネットワークが張り巡らされた「Trillion Sensors Universe」を実現させることにもなる。

 トリリオン・センサーは、ICT(情報通信技術)との連携によって、さまざまな社会課題の解決に貢献する「ソーシャル・デバイス」でもある。ソーシャル・デバイスとしての特徴は、供給量がふんだんで誰もがコストや供給を気にせずに使える点にある(関連記事1)。

 トリリオン・センサーがカバーできる応用範囲は、医療、薬品、農畜産、食品、物流、流通、建築・土木などの非エレクトロニクス分野を含む。広範なだけに多くの関係者が従来できなかった課題解決の可能性に期待を寄せているようだ。トリリオン・センサーの関係者を一堂に集めて2014年2月に東京で開催するサミット「Trillion Sensors Summit Japan」でも、医薬分野のセンサー、味覚センサー、コンビニエンスストアの省エネ化に向けたセンサー、ロボットの体表を覆う触覚センサーなどの講演が予定されている(関連記事2関連記事3)。