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データで読み解くエレクトロニクス新潮流 IHS レポート

ポジティブな半導体再編に必要なこと

~大山聡の「勝手にコンサル」~

  • IHSグローバル Technology 主席アナリスト 大山 聡
  • 2014/01/16 19:00
  • 1/3ページ

 2013年末から、日本の半導体業界に慌ただしい動きが見え隠れし始めている。まずパナソニックが、北陸の半導体3工場をイスラエルのファウンドリー会社、Tower Semiconductor社(ブランド名:Tower-Jazz、以下TJ社)に売却することを発表した。正確に言えば、TJ社との合弁会社に工場を移管し、合弁会社がファウンドリーとして受託生産を行う、とのことである。

 一方、設計部門については、MCUやアナログIC事業はパナソニック社内に残し、システムLSI事業は富士通セミコンダクターと設立する合弁会社へ移管する、という計画である。パナソニックの半導体事業は、巨大な社内需要を支えるべくIDM(integrated device manufacturer)の形態で継続されてきたが、今後は設計と製造が分離されること、設計も製造も今まで以上に外販戦略が重要になること、などが大きな変化点になりそうだ。

 パナソニックとの合弁を計画している富士通セミコンダクターは、三重工場の売却交渉を台湾Taiwan Semiconductor Manufacturing Co., Ltd.(TSMC)と行っているはずだが、この方針が公表されてから1年経過した今も、具体的な動きが見られない。一方、MCU事業とアナログIC事業は既に米Spansion社に売却済みで、パナソニックとの合弁会社も富士通の連結から外れる前提である。富士通の100%子会社だった富士通セミコンダクターは、やはり設計と製造を分離しながら、親会社からも分離される路線上にある。

 さて交渉が進捗していないとは言え、三重工場がTSMCに売却されると困るのがソニーである。ソニーはデジカメやスマホに搭載されるCMOSイメージ・センサのサプライヤーとして潤沢な利益を上げている。スマホ市場の成長と共に需要も増えており、自社の長崎工場だけでは生産能力が足りず、富士通 三重工場にプロセスを移植して生産委託しているのだ。これがTSMCの手に渡ると、TSMCに生産委託しているCMOSイメージ・センサの競合、米OmniVision Technologies社にプロセス技術が筒抜けになってしまう。

 それならソニーが三重工場を買収すれば良いではないか、と思うのだが、ソニー本社としては、半導体やハードウエア主体の事業形態からの脱却を図ろうとしており、利益の出ているCMOSイメージ・センサではあるが、工場を買収してまで増強を進める方針ではないようだ。

 となると、「ソニーがルネサス 鶴岡工場を買い取る」という噂も信憑性が薄れてくる。自社の生産能力を確保したい事業部と、連結全体の資産軽量化を目指す本社とでは、簡単には意見統一できないだろう。

 もっとも、CMOSイメージ・センサ事業部が「ソニーからスピンアウトしてでも工場が欲しい」という覚悟なら、独立路線を前提とした別の選択肢も浮上する。どんな会社においても利益を生んでくれる事業は必要だが、親会社が目指す方向性と各事業の方向性が一致しない場合、M&AやMBOを視野に入れて分社するのは選択肢として必然である。今後の動向には是非とも注目したい。

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