理系離れが叫ばれるようになって久しい。
この現象が日本だけのものかどうか知らないが、イギリスでは理系でも「コンピュータ科学離れ」が進んでいるらしい。
本書の「はじめに」に一文を寄せているエジンバラ大学教授のクリス・ビショップ氏は、「この10年間に大学でコンピュータ科学を学ぶ学生は50%減っている」ことを明かしている。
なぜ、学生がコンピュータ科学離れしているのか。その原因の一つは、物理学や科学の入門的事項を高校で教えているのに、コンピュータ科学を高校であまり教えないからだ。もう一つの理由は、学校で「コンピューティング」とか「ICT(情報通信技術)」として教えられるのが、ソフトウエア・パッケージの使い方だったりすることだ、というのがビショップ教授の分析だ。