TSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing社)の11月売上高は、対前年比(YOY)+0.1%、対前月比(MOM)-14%の443億3000万NTドルと、ドイツ銀行の予想の-5~-7%を下回った。下振れの要因はパソコンと無線通信向け顧客の在庫調整が想定よりも大きかったため。1~11月の累計売上高はYOY+17%。第4四半期(4Q)売上高の事前予想である対前四半期(QOQ)-11~-14%の1410億~1440億NTドルを達成するのに必要な12月売上高は448億~478億NTドル(MOM+1~+8%)。

 同社では2013年4Qが2012年4Qよりも大きめの調整となるリスクがあるものの、2014年1Qには底打ち、2Qからの増収基調回復を見込む。当社では、代表的なファブレス半導体設計企業の在庫日数が2013年4Q/2014年1Qには過去平均の63日より短い61日に低下する(在庫調整が完了する)との見方から、1Q半ば(2月)を底に回復基調入りを予想している。

 米Apple社の次世代スマートフォン向けと見られる20nmプロセスについては、2014年1Qの量産開始、2Qからの売り上げ計上を予想している。20nmプロセスの売上高比率が1~3%となるのは2014年2Q、2014年末には1桁台後半になるとしている。収益性については、量産から2年程度で全社平均水準に達するとの見方。同社では、28nmプロセスよりも早いペースでの増収、歩留まりの改善を見込む。つまり、収益性の上昇は28nmのときよりも早くなることを示唆している。