距離を割りきって3段階に分類

 興味深いのはApple社がiOSにおいて距離の細かい推定は実施せず、近接(immediate)、1m以内(near)、1m以遠(far)という三つの距離状態のみを取り扱っている点だ(図3)。これは1mまではほぼRSSI値がほぼ比例的に減少していくが、1m以遠では反射波の影響などもあり、RSSIが減少せずに上下を繰り返すような形になる。つまり、1m以遠は距離を推定できないため、ここは「far」として割り切ってしまったわけだ。

図3 信号強度のイメージ

 iOS7は受信したiBeaconを解釈し、iBeaconの情報の待ち受けをしているアプリの全てに対してUUID、Major、Minorおよび近接度(Proximity)を渡す。渡される近接度は先に述べたimmediate、near、farのいずれかである。

 受け取ったアプリはUUIDを確認し、自アプリ宛の情報であれば、さらにMajor、Minorの組み合わせからそれに割り当てられた処理を実施する。