ミュンヘンの本社ビル入り口で

 2013年10月下旬のある日、慶応義塾大学大学院 理工学研究科の小菅敦丈氏が乗った飛行機が成田国際空港から飛び立った。目的地はドイツ。無線通信機器などに向けた計測器のメーカーとして知られるドイツRohde & Schwarz社の本社を訪問するために、バイエルン州の州都であるミュンヘン(Muenchen、英語表記はMunich)に向かった。

 小菅氏は、2013年5月までの日程で開催された第1回の「NE ジャパン・ワイヤレス・テクノロジー・アワード」の最優秀賞を受賞した慶応義塾大学 黒田・石黒研究室に所属する。最優秀賞の副賞として受賞したのが、今回のドイツ訪問である(副賞のもう一つは、Rohde & Schwarz社のデジタル・オシロスコープ「RTO1004」だった)。小菅氏は、受賞技術である「ワイヤレスSSDに向けた高速通信技術」の研究グループを代表し、同社の技術者陣に技術の詳細を紹介するという重責を担って渡航した。