米GLOBALFOUNDRIES社の講演(写真:関連記事2)
米GLOBALFOUNDRIES社の講演(写真:関連記事2)
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 半導体製造などに関する国内最大の展示会「セミコン・ジャパン 2013」(2013年12月4~6日、幕張メッセ)の初日、「オープニングキーノート」での二人の講演内容が対照的だった。この聴講を機にあらためて垂直統合と水平分業について考えさせられた。

 最初に講演したのは産業技術総合研究所理事長の中鉢良治氏。「半導体産業の提言」と題し、日本の半導体産業の復活に向けた提案をした。その一つが、産総研が実現を目指す「ミニマルファブ」の活用である。このファブ(工場)は、初期投資額と運用コストを既存手法よりも桁違いに低くする製造装置によって、少量生産の世界に経済合理性をもたらそうとする。3Dプリンタの半導体版とも言える(関連記事1)。

 続いて壇上に登ったのは、多くの顧客から半導体の生産を受託しているファウンドリ大手、米GLOBALFOUNDRIES社のSubramani Kengeri氏(Office of the CTO, Advanced Technology Architecture, Vice President)。半導体業界では、センサなどに使うMEMS(微小電子機械システム)やパワー/アナログ半導体といった多品種少量品の成長が見込めるとした上で、ここでもファウンドリによる水平分業型・大量生産型の事業モデルが主流になると述べた(関連記事2)。