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産業機器・部材
(2013年1月1日~11月30日)
1 「これほど“きれい”な打ち上げは今までなかった」、大成功だったイプシロンの打ち上げ
予定通りの軌道に乗ったSPRINT-A、太陽電池パドルを展開し太陽を捕捉
2 防衛省が三菱重工製の「機動戦闘車」を公開---高速道も走れるタイヤを履いた戦車
3 イプシロンロケット試験機、打ち上げ中止の原因は機体と地上の計算機のやりとり?
4 HDDからSSDへの交換が原因に、JR九州がシステム障害について説明
5 シャープ、医療・ロボットなどの新規事業で2015年度に800億円目指す
新規5事業分野の試作品などをズラリ披露
6 B787の2次電池に多数のアーク痕---運輸安全委員会が調査状況を発表
7 ホンダの新型ミニバン「オデッセイ」、タンクの薄型化などで車室内高さを1325mmに
8 90式戦車の砲身から高射砲砲塔まで、日本製鋼所が防衛装備品の整備工場を公開
9 富士通グループ、半導体製造工場を転用して低カリウムの野菜を栽培
10 イプシロンロケット打ち上げ中止、原因は命令伝達の時間的な遅れ
11 ワイヤーロープを昇降させる“ホームドア”など、私鉄3社が試験運用へ
12 アウトランダーPHEVの電池不具合、スクリーニング検査での変形が主原因か---三菱自が調査経過を発表
13 ホンダがHondaJetの販売活動を強化、量産1号機は完成間近に
14 ヘンケルジャパン、固着したボルトやナットを凍結・収縮させて外すスプレーを発売
15 「下位カテゴリーの病院市場もターゲット」、拡大する中国の医療機器市場で日系メーカーに適した戦略
16 セルの落下による変形などが原因---三菱自動車、PHEVなどの電池トラブルの調査結果を発表
17 日立、位置センサを使わずに永久磁石モータを低速で安定駆動する制御技術を開発
18 イプシロンロケットの名前の起源は「M-V」のMにあった
19 シャープが中期経営計画で打ち出した5つの新事業領域とは?
20 3Dプリンタで原子配列の方向の操作が可能に、東北大金研が発見

 「イプシロンロケット」「事故/トラブル」「新規事業」。Tech-On!のテーマサイト「産業機器・IT」のニュース記事において、2013年1月1日~11月30日の期間で多くの読者から読まれた記事は、こうしたキーワードに関連するものだった。

数々の試練乗り越え成功の栄冠

 イプシロンロケットは、日本が12年振りに開発した国産の新型ロケットだ。液体燃料ロケットの「H-ⅡA」「H-ⅡB」と並ぶ日本の基幹ロケットと位置付けられ、日本が目指す宇宙利用と宇宙ビジネスの拡大に大きく貢献するものと期待されている。

 最大の特徴は、打ち上げシステムを革新した点だ。人工知能を使った自動・自律的点検システムや、わずか2台のパソコンで管制業務を実施できるモバイル管制システムなど、これまでの打ち上げの常識を覆す技術を世界に先駆けて採用した。これにより低コストかつ高頻度での打ち上げを実現する。

 もっとも、挑戦的な取り組みだったこともあり、打ち上げはすんなりとは成功しなかった。当初予定していた2013年8月22日の打ち上げは、ロケット(機体)側の計算機と地上側の計算機(モバイル管制システム)をつなぐケーブルの途中に配した信号中継装置に、配線の誤りが見つかったことで延期。次の打ち上げ予定日として再設定された同月27日も、発射19秒前に地上側の計算機がロケットの姿勢を異常と判断し、打ち上げシーケンスを自動で停止させたことから、打ち上げには至らなかった。

 結局、打ち上げに成功したのは、3度目に設定された2013年9月14日。数々の試練を乗り越え、ようやく手にした栄冠だった。打ち上げ成功後の記者会見で、宇宙航空研究開発機構(JAXA) イプシロンロケットプロジェクトチーム プロジェクトマネージャの森田泰弘氏は、満面の笑みをたたえながら次のように語った。「ようやく心の底から笑える状態になった。最後は新しいものを生み出す、生みの苦しみを味わったが、終わってみたら最高だった」。それを紹介したのが、今回のランキングで1位になった記事「『これほど“きれい”な打ち上げは今までなかった』、大成功だったイプシロンの打ち上げ」。この他、3、10、18位の記事がイプシロンロケットに関する記事だった。