半導体製造 プロセス技術や工場の動向を知るための
 
変質するメモリ・サイクル(続編)

変質するメモリ・サイクル(続編)

和田木 哲哉=野村證券 エクイティ・リサーチ部 エレクトロニクスグループ マネージング・ディレクター
2013/12/03 06:00
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 (2013年9月の本コラムから続く)半導体製造装置メーカーにとって、微細化の終焉は成長の終わりを示唆するものである。これは、液晶製造装置業界の歴史を見ると分かりやすい。液晶製造装置市場は従来、「技術革新の要素に乏しいので、1990年末には飽和する」といわれていた。ところが実際は2000年代に入っても大きな成長を続けた。

ガラス基板の大型化終了で市場成長が止まった液晶製造装置

 液晶製造装置業界において、半導体製造装置業界における微細化の代役を果たしたのはガラス基板の大型化である。液晶パネル・メーカーは、新しい基板サイズの製造技術が確立される度に、コスト競争に勝ち残るためにパネル製造設備を刷新し続けた。その結果、液晶パネル製造工程のガラス基板の大型化が続く限りは、製造装置市場も成長を続けてきた。

 しかし、第10世代(10G)ガラス基板を使っているパネル・メーカーはシャープ以外には存在しない。液晶製造装置におけるガラス基板の大型化への対応は実質的には第8世代(8G)で終わり、先端パネル・メーカーの8Gへの移行は2008年にほぼ一巡した(図1)。

図1●液晶ガラス基板の大型化と日本製液晶製造装置市場の推移(FPDメーカーの資料などを基に野村證券が作成)
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 その後、液晶パネルの需要そのものは増加しているものの、液晶製造装置の市場は急速に縮小している(図2)。技術革新が実質的に停止したことでパネル・メーカーにとってはラインを刷新する必要がなくなり、増強投資のみで需要増に対応できるようになったからである。シャープを除くほぼすべてのパネル・メーカーが、10Gへ移行しなかったのはなぜか。それは、10Gが8Gに対してコスト優位性を明確に発揮するのが60型以上のパネル・サイズであるにもかかわらず、60型を超えるテレビ市場が期待ほど伸びなかったためだ。

図2●日本製液晶製造装置市場の推移(SEAJ統計を基に野村證券が作成・予想)
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設備投資は少数企業に集中

 半導体製造装置業界は、2000年代に入って大きな構造変化を遂げてきた。マスク・コストの高騰や配線遅延問題による性能向上の限界から、最大手MPUメーカー(米Intel社)以外のSoCメーカーが軒並み先端投資から手を引いた(図3)。半導体市場は寡占化が進み、製造装置メーカーにとっては顧客の集約が進んだ。

図3●半導体設備投資の大手集中~設備投資のローレンツ曲線とジニ係数~(野村證券が作成)
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 2008年以降は、クラウド化の進展を背景にスマートフォンやタブレット端末によるパソコンの置き換えが進み、パソコン用OSの複雑化とメモリ所要量の増加ペースが以前に比べて鈍化した。結果として、DRAM業界では微細化投資だけで需要増をまかなえるようになった。すなわちDRAMでは、微細化はできてもその受け皿となる需要がないという、NANDフラッシュ・メモリとは別種の問題に直面している。DRAM向け設備投資は、2007~2012年で実に約5分の1に減少した。

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