稼ぐ力を取り戻せ!—日本のモノづくり復活の処方箋 、冨山 和彦 著、1,680円(税込)、四六判、256ページ、日本経済新聞出版社、2013年6月25日
稼ぐ力を取り戻せ!—日本のモノづくり復活の処方箋 、冨山 和彦 著、1,680円(税込)、四六判、256ページ、日本経済新聞出版社、2013年6月25日
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 多くの企業再生に取り組んできた著者らが、日本の製造業が抱える問題と、そこからの脱却の道筋を説いた一冊。過度な擦り合わせ技術や決定力に欠けるボトムアップ型の経営、変化を嫌う硬直的な組織など、製造業が陥っている5つの罠を挙げ、その上で「見える化」「標準化」「つなぐ化」の3つのキーワードから日本製造業復活の処方箋を解説する。

 例えば、つなぐ化では、市場ニーズから要求仕様、製品仕様、製品構成、生産工程までをつなぐプロデューサー役が必要だと指摘する。今の日本は、部門や企業の分業化が進み過ぎ、市場ニーズを反映したものづくりになっていないというのだ。

 ただし、本書は日本のものづくりの将来を悲観しているわけではない。和魂洋才での一点突破や擦り合わせとモジュールの見極めなどで、十分世界で戦っていけると説く。課題を突きつけつつも、今後の行く手を照らす一冊となっている。

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