本書では、主に中小企業や個人に「脱・下請け」を提言するとともに、自分が本当に造りたい物を造ることの重要性を説いている。従来は難しかったが、近年はインターネットの普及により資金調達や販売の手段が増え、3Dプリンタに代表される生産手段の多様化も進んでいる。そうした「マイクロモノづくり」が格段にやりやすくなったことを豊富な事例に基づいて紹介している。
さらに、大企業にとっても参考になる部分は多い。例えば、「リーン・プロダクトアウト」という手法では、自社のリソースを活用して試作品を迅速かつ安価に作製し、ユーザーに見せて、その評価を製品開発に反映させるサイクルを何度も繰り返す。
既存のビジネスでは、顧客の要望は明確なので、試作回数を減らして効率化することが重要だった。だが、顧客の要望が明確ではない新規事業では、こうしたリーン・プロダクトアウトの発想が有効だろう。
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