新規事業開発のマネジメント、伊藤 嘉浩 著、 3,780円(税込)、A5判、272ページ、白桃書房、初版 (2013年2月22日)
新規事業開発のマネジメント、伊藤 嘉浩 著、 3,780円(税込)、A5判、272ページ、白桃書房、初版 (2013年2月22日)
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 景気回復の期待感のある「アベノミクス」により、長らく日本の製造業を覆っていた円高が氷解しつつある。輸出割合の多い日本メーカーにとっては干天の慈雨のはずだが、リストラから逃れられない分野もある。新たな事業の創造が急務だ。

 本書は、イノベーションを伴う新規事業開発のマネジメントに関する専門書だ。キヤノンで長年、商品企画や新規事業に携わってきた著者が、現場で培った実践的な知見を基に、理論的な枠組みを示しつつ、7つの事例を詳しく分析した。同社の5つの事例に、同社以外から2つの事例を加えている。

 説得力が増すのが、著者自身が手掛けた成功事例(3D-CG技術の開発)が載っている点だ。そして、読者の理解を一層深めるのが、成功事例(4つ)と失敗事例(3つ)をバランスよく扱っていることである。多面的な分析は、新たな事業に挑む読者にとって有益だろう。

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