アフリカでの鉱物採集の様子(写真:PTCジャパン)
アフリカでの鉱物採集の様子(写真:PTCジャパン)
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 会見を聞きながら、私は数年前の発言をふと思い出しました。

 「ふん、そうですか」――。

 言葉がむなしく漂っていました。当時付き合っていた彼女と映画を観たあと、我慢できずに口を滑らしてしまったのです。春風がさわやかに吹き抜ける日曜の午後のことでした。

 鑑賞した映画は「ブラッド・ダイヤモンド」(原題:Blood Diamond)。ダイヤモンドの産地であるアフリカのシエラレオネ共和国での内戦をきっかけに、内戦の資金調達のため不法に取引される“紛争ダイヤモンド”をめぐるサスペンスです。

 ストーリーは、俳優レオナルド・ディカプリオが扮する冷酷なダイヤ密売人と、ダイヤモンド採掘場での労働を強いられた漁師、血塗られたダイヤモンドの真実を探る女性ジャーナリストの3人の運命の交錯劇!

4種類の鉱物が対象

 余計な前置きが長くなってしまいました。本稿でお伝えしたいのはオヤジギャグではありません。エレクトロニクスの分野でも、紛争が大きなリスクになり得るということでした。

 冒頭に告白した淡く切ない記憶を呼び起こしたきっかけは、2013年11月18日にPTCジャパンが開催した、「紛争鉱物」に関する新サービスの記者発表会でした( Tech-On! 関連記事)。

 紛争鉱物とは、コンゴ民主共和国(DRC)およびその周辺国から産出されるAu(金)、Ta(タンタル)、Sn(スズ)、W(タングステン)のうち、DRCにおける武装勢力や反政府組織の資金源になっているものを指します。内戦が続くDRCは鉱物資源が豊富で、武装勢力がその鉱物資源を輸出して資金源にしている現状があります。