2013年10月22日~11月18日にTech-On!のテーマサイト「クルマ」で、アクセスランキングの1位を獲得した記事は、人身事故に関する記事「マツダ、『CX-5』の自動ブレーキ体感試乗会で事故」でした。
埼玉県深谷市の自動車販売会社が開催した、マツダのSUV「CX-5」の自動ブレーキ体感試乗会での出来事。自動ブレーキの体感試乗中にクルマがフェンスに衝突し、試乗中の客が頸椎捻挫、従業員が右腕を骨折しました。マツダは事故原因が判明し、対応が決まるまで体感試乗会の開催を自粛することを決めています。
機械を過信するべからず
自動ブレーキは消費者の期待も高く、大きな関心を集める技術。それだけに事故の報は、今後の技術開発への影響が大きそうです。辛口のTech-On!読者からは厳しいコメントが集まっています。
- ◆「機械を過信しているとこうなります。取扱注意にも記載されているのですが、馬鹿な広報や営業に危険に関する認識がないから、大きな事故になるのです。TVコマシャールも即刻中止し、積極的な宣伝を自粛すべきです。自動運転車もしかりです。こういう隠れた安全技術は表に出すような技術ではないですね。もっと技術者は謙虚になれ」
- ◆「国内自動車メーカーは自動ブレーキに対して謙虚であったはず。一社が秩序を破って売らんがための商品に仕立て上げた事で生煮えの技術が市場に氾濫してしまった悪い例。野放しで認可した国交省にも責任があるのでは」
とはいえ、安全技術に100%はありません。いかに、100%に近づけていくか、技術者としては今回の事故を教訓に解決策をきちんと考えていく姿勢が大切でしょう。
- ◆「自動危険回避装置は現状ではおそらく玉石混淆、きちんとした技術のものも慌ててでっち上げたものもあると思います。一件の事故で全部を否定するのは良くない。さりとて消費者も、似たような名称だから性能も同じだろうと思い込んではいけません。 今回の事例は、販売会社の試乗会ですから、自社のボロがでないよう状況をコントロールして行なうはず。事故が起きということは、どんな状況でボロが出るかの把握さえできていなかったということなのでしょう」
一事を万事としてしまえば、その先はなくなります。自動ブレーキの技術は、将来の自動運転にも密接につながっていくでしょう。一方であまりにも期待を抱かせる過度な演出の宣伝は見直し、努めて冷静に技術がもたらす効果を伝える消費者とのコミュニケーション力が問われています。それも、一つの技術力でしょう。
今週末からついに「第43回東京モーターショー2013」(11月23日~12月1日)が始まります。既にクルマサイトはプレビュー記事でにぎわい始めました。自動ブレーキ、自動運転などの次世代技術は大きなトピックの一つになりそうです。今回の事故を受けて、消費者とのコミュニケーションに何か変化が出てくるのでしょうか。