新しいB2C事業には“創造”に向く体制を

 だからこそクリステンセン教授は、新しいビジネスは柔軟な発想を持つベンチャー企業が担うと考えられているのでしょう。

 B2Bビジネスは社内外に大きなリソースを持つ大企業が有利になります。B2Bビジネス領域での新事業も大企業が担う割合も高いでしょう。しかし新しいB2Cビジネスは柔軟なアイデアや事業スピードが大きな役割を果たします。必ずしも大きなリソースを必要としないことが新たに事業を立ち上げるベンチャー企業に向いているのでしょう。

 では、どうすれば新たなビジネスを立ち上げていくことができるのでしょうか。以前のコラム「日本の家電・脱負け組への処方箋、未来はバックステップでつくれ」で紹介した「4つの開発フェーズ」が大きなヒントのひとつになると考えています。

生島大嗣(いくしま かずし)
アイキットソリューションズ代表
大手電機メーカーで映像機器、液晶表示装置などの研究開発、情報システムに関する企画や開発に取り組み、様々な経験を積んだ後、独立。「成長を目指す企業を応援する」を軸に、グローバル企業から中小・ベンチャー企業まで、成長意欲のある企業にイノベーティブな成長戦略を中心としたコンサルティングを行っている。多数のクライアント企業の新事業創出/新製品企画・開発等の指導やプロジェクトに関わる一方、公的機関等のアドバイザ、コーディネータ、大学講師等を歴任。MBA的な視点ではなく、工学出身の独自視点での分かりやすい言葉で気付きを促す指導に定評がある。経営・技術戦略に関するコンサルティングとともに、講演・セミナー等の講師としても活躍中。
生島ブログ「日々雑感」も連載中。
中国ビジネス書の翻訳出版本である「中国モノマネ工場――世界ブランドを揺さぶる「山寨革命」の衝撃」の監修・解説も担当した。