B2Bの成功は結構だが…

 こういうことを言っていると、よくB2Bビジネスをされている企業の方から「私たちは売り先が日本のB2C企業であろうと、海外のB2C企業であろうと構わないのですよ」と言われることがあります。

 何度も言っていますが、私はこの意見にはまったく異論がありません。むしろ力のあるB2B企業にはどんどんそのビジネスを推し進めて頂きたいと思っています。またB2C企業が新たなチャンスとして新たな領域のB2Bビジネスを切り開いていくことも大賛成です。

 B2Bビジネスの新事業としては、富士フイルムが衰退するフィルム分野をうまく補う形で、フィルムで培った技術を基に範囲の経済をうまく推し進めて液晶フィルムや化粧品などの分野に進出していることや、ソニーが自社の持つ画像技術などを基に医療分野に進出していることなどがよい例でしょう。

 またある大手商社の方からお聞きしたのですが、彼は「当社は多数のメーカーを買収したので、もう商社というよりメーカーになってしまいました」と話されていました。買収と売却により儲けることを主眼としておらず、多くのB2B企業を買収してそれらのビジネスの相乗効果で利益を出す構造を作っているのです。