世界は2乗でできている 自然にひそむ平方数の不思議、小島寛之著、945円(税込)、248ページ、講談社、2013年8月
世界は2乗でできている 自然にひそむ平方数の不思議、小島寛之著、945円(税込)、248ページ、講談社、2013年8月
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 「平方数」は、数学が生まれた古代から特別待遇の数である。自然数を2回掛けるという単純な定義なのに、不思議な性質を持ち、この世の中の成り立ちを支えている法則にたびたび登場するからだ。

 平方数の面白さは、かけ算の九九の範囲を超えて、100を過ぎたあたりからあらわれてくる。たとえば、100の次の平方数の「11×11=121」は左右対称になっている。これは、「11」が「1を並べた整数」だから起きることで、「111×111=12321」、「1111×1111=1234321」とつづく。

 「11」の次の「12」の平方数もおもしろい。「12×12=144」なのだが、「12」を逆にした「21」の平方が「21×21=441」と、「144」の順番を逆にしたものになっている。

 「12」の次の「13」と「14」もおもしろい。「13×13=169」で、「14×14=196」と十の位と一の位が入れ替わっているのだ。