[7]他部門の考慮が不足し、部門最適になっている

 図面変更内容をE-BOMへ反映させる作業を効率化するための改善案を検討する際、E-BOMからM-BOM(製造BOM)への変更内容の反映に関する検討が不足しているといった状況である。

 多くの場合、開発設計領域の業務は分かりにくいと認識されており、業務改革についてもこの領域だけ切り離して独立に進めることが多い。しかし、業務自体が源流にあるため、部門最適の改善を行うと、後工程への影響が大きいのである。

[8]改善案が正論ではあるが、実現性が低い

 例えば製品の標準化を検討する際に「向こう3~5年の製品展開計画を明確にしなければならない」「顧客仕様、製品仕様、機能の関係性を整理しなければならない」「製品システム構成、部品構成は機能展開により作成しなければならない」といった改善案が認められたような場合である。いずれも正論だが、複雑で実行が難しく、結果として活動が停滞してしまいがちである。

 開発設計業務は、程度の差こそあれ未知の事柄を扱う業務である。ある程度不明確な部分が残っていたり、検討が不十分だったりする状況であっても、次に進めるような方法を考えなければ実行が難しい。