想定用途は自動車/家電/建設/包装など

 先のプロジェクトでは、PP、PE、PAのそれぞれにおいて、CNFを10~15質量%添加したCNF強化樹脂を試作している。その樹脂を使って射出成形を行った場合の材料の強さは、PEあるいはPAに混ぜ合わせた場合で3~4倍、PPに混ぜ合わせた場合で2~3倍。また、線膨張率はPEに混ぜ合わせた場合で1/5に抑えられるという(図2~4)。

図2●PEにCNFを添加したCNF強化樹脂の射出成形後の組織
「グリーン・サステイナブルケミカルプロセス基盤技術開発」プロジェクト(2010~2012年度)で試作したもの。「射出成形を行うと、樹脂中に均一に分散したCNFによって樹脂の結晶が一方向に並ぶ」(NEDO)という。写真:NEDO
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図3●PEにCNFを10質量%添加した場合と添加しない場合の材料強度の比較
「グリーン・サステイナブルケミカルプロセス基盤技術開発」プロジェクト(2010~2012年度)における成果。画像:NEDO
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図4●PEにCNFを10質量%添加した場合と添加しない場合の線熱膨張の比較
「グリーン・サステイナブルケミカルプロセス基盤技術開発」プロジェクト(2010~2012年度)における成果。画像:NEDO
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 同プロジェクトでは、自動車用の樹脂の代替を念頭にCNF強化樹脂の研究開発を実施したが、その想定用途は、自動車だけでなく家電/建設/包装などさまざまな分野にわたる。星光PMCは、そうした分野に向けて用途を開拓していきたいとしている。