サンプル出荷が本格化

 そして、そうしたCNF強化樹脂のサンプル出荷を2014年春に本格的に開始しようという企業が現れてきた。製紙用薬品とインキ・記録材料用樹脂を手掛ける化学品メーカーの星光PMCである。

 同社は、これまでも実験室レベルで造ったCNF強化樹脂をサンプル出荷してきた。しかし、その量はごく限られていた。同社は、2014年春までに同社の竜ヶ崎工場にCNF強化樹脂を造るパイロットプラントを建設、1社当たり最大で数百kgまでのサンプル出荷を開始する考えだ。

 同社は、NEDOが推進した「グリーン・サステイナブルケミカルプロセス基盤技術開発」プロジェクト(2010~2012年度)に参画。京都大学、京都市産業技術研究所、王子製紙、三菱化学、DICなどとともに、ポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)、ポリアミド(PA)といった樹脂中にCNFを均一に分散させる技術の研究を進めてきた。

 パイロットプラントで造るCNF強化樹脂は、その技術を利用したもの。サンプル出荷の状況にもよるが、同社はさらに、2016年にCNF強化樹脂の商用プラントを整備し、2017年にはその本格的な供給を開始することを目指す。