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【半導体】「流動期に入った半導体産業」を象徴する記事に高い関心

小島 郁太郎=Tech-On!編集
2013/10/01 00:00
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IntelのMPUを搭載したタブレットの採用例を紹介する吉田和正氏 Tech-On!が撮影。スクリーンはインテルのスライド。
IntelのMPUを搭載したタブレットの採用例を紹介する吉田和正氏 Tech-On!が撮影。スクリーンはインテルのスライド。
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 2013年9月25日に、米Intel Corp.の日本法人インテルが、報道機関を対象にした恒例の記者説明会「インテル アーキテクチャ&マーケティング・アップデート」を開催した。少し前に米国で開催されたIntel最大のイベント「IDF:Intel Developer Forum」の内容を、参加できなかった国内の報道機関に紹介することが、昨年までは同説明会の主な目的だった。

 このため、話の中心は、IDFで発表された次期/次世代のMPU(マイクロプロセサ)の紹介。微細化のロードマップと新工場の建設計画で締めくくるというのが、お決まりのパターンだった。ところが、今年の説明会は大きく様変わりした。IDFの内容紹介のスライドはほんの少々にとどまった。

 驚いたのが、代表取締役社長の吉田和正氏のアプリケーションの説明である。これまで、同氏の説明は、基本的に、新MPUがもたらすアプリケーションの素晴らしさだった。すなわち、新しいアプリケーションはインテルが作り出すというスタンスである。ところが、今回は、IntelのMPUを搭載したタブレットがどこそこで採用された、という説明が中心だった。これは、多くの半導体メーカーの説明と同じある。特別な半導体メーカーだったIntelが、普通の半導体メーカーになったことを象徴するような内容だった。

 この変化の背景には、タブレット/スマホの波にIntelが乗り切れないでいることのほか、MOSトランジスタの微細化がますます困難になってきたことがある。Intelは他社に先駆けてトランジスタを平面から立体(FinFET)にしたが、EUV(extreme ultraviolet)露光技術の実用化は進んでおらず、半導体事業のベースとなる微細化の先行きは不透明感を増すばかりだ。

 微細化の先行きの不透明感は、当然のことながら、半導体製造装置業界にも大きな影響を及ぼす。半導体製造装置業界は、微細化によって新しい装置が売れるというサイクルで成長してきた。微細化の停滞はビジネス・モデルの変革を促す。それが、今回の記事ランキングに如実に表れた。

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 半導体関連の4つのサイト、「半導体デバイス」、「半導体製造」、「EDA」、「アナログ」に投稿の全記事(日経BP半導体リサーチ記事を含む)に投稿された記事で、直近4週間(2013年9月2日~29日)にアクセス数が最も多かったのは、米Applied Materials社(AMAT)と東京エレクトロンの経営統合を報じた記事だった。半導体製造装置メーカーとしてAMATは業界1位、東京エレクトロンは3位であり、まさに大型統合である。AMATおよび東京エレクトロンは、オランダに新たに登記・設立される統合新会社(持株会社)の100%子会社となる。

 統合新会社の取締役会長には現東京エレクトロン代表取締役会長兼社長の東哲郎氏が、CEOには現AMAT President and CEOのGary Dickerson氏が就任する予定。統合新会社は東京証券取引所とNasdaq株式市場に上場し、東京と米国カリフォルニア州サンタクララの両本社体制を採る。新会社の時価総額は約290億米ドル(2.8兆円)に達する見込み。なお、新会社の社名は未定であり、「必ずしも両社の社名を入れることにこだわっていない」(東氏)という。

 今回のランキングで2位になったのも、日米両国にまたがる企業統合に関連した記事である。米Micron Technology社に2013年7月に買収されたエルピーダメモリの代表取締役社長兼CEOだった坂本幸雄氏にインタビューした内容をまとめた記事だ。同氏によれば、2012年2月にエルピーダメモリが会社更生法の適用申請した後に、社員たちが奮起してくれた結果、四半期ベースで大きな黒字が出る健全な状態に復活できたという。経営破綻の要因の一つともなった円高が緩和されたこともあり、現在では「広島工場のコスト水準は、台湾Rexchip社をしのぐところまできた」(同氏)とする。

 記事ランキングの4位には、東芝の半導体事業の変化を報じた記事である。同社は2013年9月11日にセミコンダクター&ストレージ社の事業説明会を東京都内の本社で開催し、執行役上席常務でセミコンダクター&ストレージ社社長の成毛康雄氏が登壇した。半導体事業が巨額赤字に陥った2008年度に比べて、足元では「メモリは復活したが、ディスクリート半導体とシステムLSIは道半ば」(成毛氏)という。今後、稼ぎ頭のNANDフラッシュ・メモリ事業の優位性を保つことに加えて、伸び悩んできたディスクリート半導体やシステムLSIでも「売り上げの拡大に全力を投じる」(同氏)。

 なお、冒頭に述べたIDF発の記事は、今回のランキングに複数が入った。9位にはIntelの微細化に対する取り組みに関する記事、17位には新しい組み込み向けSoC(MPUと周辺回路を集積したチップ)の記事が選ばれた。このほかのIDF発の記事はこちらに掲載した。

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