富士通の農業用センサ
富士通の農業用センサ
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農業のICT(情報通信技術)化を推進する動きが、農家やICT業界で活発だ。農家は、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉に日本が参加したことを受けて国際競争力を強化したい。ICT業界は、新市場として開拓したい。「アベノミクス」の成長戦略の一つとして政府も後押ししている。農業のスマート化「スマート・アグリ」について紹介する。

 スマート・アグリとは、農作物の育成工程にセンサやビッグデータなどのICTを導入して生産性を高める農業だ。閉鎖空間で管理する植物工場のみならず、露地やハウスなど広大なフィールドにも広がっている。無線センサ・ネットワークが低価格で高信頼化したことによる。さらにICTの適用範囲を販売や調達などの工程にも広げ、高く売って農家の収益性や競争力も高める「6次産業化」の手段ともなり得る。

 富士通やNECなど大手ICT関連企業は、既にこうしたスマート・アグリ分野に進出している。村田製作所などデバイス・メーカーも農地の養分などを測定するセンサを開発中である。ICTやエレクトロニクス業界にとっては、ICT化あるいはエレクトロニクス化されていない新市場の開拓となる。