朝の2~3時の出発を覚悟

 そして、2013年8月27日。発射19秒前のまさかの打ち上げ中止。編集部に戻った筆者は、編集長から「また行くでしょ」というありがたいお言葉をもらう。だが、次の打ち上げ予定日がなかなか決まらない。そして、同年9月9日、「いくらなんでも今週中の打ち上げというのは急すぎるでしょ」と副編集長のM氏と話をしていた矢先、JAXAから打ち上げ予定日が同月14日に再設定されたとの連絡が入る。

 筆者は、今回も早々にホテルAZに照準を絞る。再設定の連絡が入った直後の今ならまず大丈夫だろうと、高をくくっていた。だが、ホテル側の返答は「9月12、13日は空いておりますが、14日は満室です」というものだった。

 今回の打ち上げ取材で一番大切なのは、打ち上げ前日から打ち上げ当日にかけての一泊。打ち上げ当日は、早朝にホテルをでなければならない。だから、少しでも近場を押さえておきたい。筆者は、意を決して、12、13日の2泊を予約。14日の宿泊は、予定通りいけば打ち上げが終了した夜なので、多少距離が遠くても何とかなる。そう考えてのことだった。

 しかし、いくらなんでもクルマで2時間半~3時間もかかるところにしか空いていないとは…。筆者を待っていたのは、そうした厳しい現実だった。インターネットで検索するも、空き室があるとして出てくるところは、霧島市や鹿児島市がほとんど。もし、仮に打ち上げが翌日の15日に延期されたら、朝の2~3時に出かけざるを得ないことを覚悟した。というのも、筆者の場合は、前回の打ち上げ予定日(8月27日)に大崎町のホテルを朝の4時すぎに出て、肝付町で一瞬だが渋滞に巻き込まれていたからだ。そこより、1時間半~2時間は余計にかかる霧島市(鹿児島市の場合、フェリーに乗らないとだめなので早朝出発の場合は候補から消える)だったら、当然そうなる。結局、14日の宿泊は霧島市の某ホテルに決めた。

 ところで、なぜ14日だけ空きがなかったのか。これについては、編集部の中では、3連休の土曜日だからではないかという意見もあった。しかし、大崎町のホテルAZに着き、確認したところ、鹿児島県の県民体育大会が9月14~15日に開催されるためであることが分かった。まさか、そうしたものと打ち上げが重なっていたとは…。打ち上げ取材は一筋縄ではいかないと、つくづく感じさせられた。

 こうして取材してまとめたのが、今回のランキングの上位に登場するイプシロンの記事。是非、ご一読いただけると光栄です。