またしても宿の予約が…

 その後、航空券を押さえ、レンタカーを予約した筆者。だが、そのときはまだ、またしても宿の予約が必要になるとは想像していなかった。

 時は2013年8月8日。JAXAから打ち上げの延期が発表されたのだ。理由は機体側の計算機と地上側の計算機をつなぐケーブルの途中に配した信号中継装置に、配線の誤りが発覚したためだった。

 日経ものづくり編集長のO氏から延期を教えてもらった筆者は、宿の予約は時間との勝負との判断から、前回の経験を生かして、打ち上げ場所に近い肝付町の宿泊施設ははなから諦め、クルマで1時間程度の大崎町に照準を絞った。筆者は日ごろから1冊のノートに「取材連絡先」などを書き留めているのだが、そのノートを開き、大崎町のホテルAZの電話番号を確認。すぐさまプッシュボタンを押した。

 そして、祈るように「8月25~27日の3泊で1人なんですが空いていますでしょうか」と電話に応じた同ホテルの担当者に問い合わせ。「少々お待ちください」の声から数分後、見事に「ご予約承ります」の返答を獲得した。筆者は、このとき、先に肝付町の宿泊施設を探してからでは、同ホテルの予約は取れなかっただろうと、いまでも思っている。

 その後、すぐに先日予約した某ホテルをキャンセル。「また、機会がございましたら、よろしくお願いします」との親切なお言葉をいただいた上、残り2週間を切っているのに、キャンセル料もかからなかった。外観は優れないけど、本当はいいホテルなのかもしれないと感じた。