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エディターズ・ノート

東京オリンピック開催、どうなる2020年のエレクトロニクス技術

  • 河合 基伸=日経エレクトロニクス
  • 2013/09/13 05:00
  • 1/1ページ

 ついに2020年の東京オリンピック開催が決まりました。私も眠い目をこすりながら、テレビで決定の瞬間を見届けた一人です。今後は、オリンピック開催に向けて、競技場や交通網の整備が一気に進み、東京の姿が大きく変わるでしょう。

 今から7年後の東京の姿を思い浮かべると同時に、エレクトロニクス技術の進化がどうなるかにも興味が湧きました。そこで、過去の日経エレクトロニクスを読み返しながら、各分野の記者にも聞いてみました。すると、区切りが良いためか、「2020年ごろの実用化を目指す」とする技術が多いことが分かりました。ここでは、その一例を紹介します。

 まず、私が取材している位置情報技術では、2020年ごろに「準天頂衛星システム」の本格運用が始まります。現在の初号機「みちびき」に続いて、2010年代後半を目標に3基が打ち上げられ、4基体制になる見込みです(Tech-On!関連記事)。
 準天頂衛星は、ほぼ天頂に位置するため、測位精度が高まると期待されています。そのころには、屋内でも測位できる「屋内測位技術」も普及しているでしょう(Tech-On!関連記事)。そうなれば、観光客がスマートフォンや今後登場する新たなウエアラブル機器を使って、確実に目的地までたどり着けそうです。

 自動車分野では、2020年ごろに「自動運転技術」が実用化になりそうです。日産自動車は2020年までに自動運転技術を複数の車種に搭載すると発表しました(Tech-On!関連記事)。さらに、ドイツDaimler社も同様の発表をしたようです。前述の準天頂衛星システムも、自動運転の実現を後押しします。自動運転を利用すれば、地方に住む私の両親のような高齢者も、気軽に東京オリンピックを見に上京できるでしょう(関連セミナー)。

 ディスプレイ分野では、自由に形が変わり、貼り付けが可能な「自由曲面ディスプレイ」が2020年ごろに実用になりそうです。カーテンや家具など、身の回りのあらゆる物に貼り付けて映像を表示すれば、物の外観を自由自在に塗り替えられます。部屋の風景を自由に変えて、選手や観光客がリラックスして過ごせるようにする宿泊施設が現れるかもしれません(Tech-On!関連記事)。

 通信分野では、パケ詰まりを気にすることなく、高速のデータ通信が使えるようになりそうです。2020年ごろには、小型の携帯基地局「スモールセル」が、電源を確保できる多くの場所に設置されている可能性があるからです。一つの基地局が受け持つ端末の数を減らして、端末当たりの帯域を拡大することで、快適な移動通信を実現します。多くの人が集まる場所でも、自分の好きな競技の中継を楽しめるでしょう(Tech-On!関連記事)。

 最後にデバイス分野では、Si半導体の微細化が進み、ロジックの設計ルールが5nm程度になる可能性があるといいます。ついに1ケタ台に到達するのです。製造上の課題や、デバイスの物理限界などの壁を、どのように超えるのか注目です。実現すれば、様々な機器の進化に貢献しそうです(Tech-On!関連記事)。パワー半導体でも、SiからSiCやGaNなどの新材料への移行が進み、エネルギー損失の削減に貢献しているはずです。

 ここでは全てを紹介できませんが、2020年には様々なエレクトロニクス技術が大きく進化を遂げます。競技場や交通網といったインフラだけでなく、エレクトロニクス技術も東京オリンピックの成功に一役買いそうです。今から7年後が楽しみになってきました。

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