2013年9月第1週は腕時計型の情報端末「スマートウオッチ」がTech-On!をはじめ、話題となりました。韓国Samsung Electronics社や米Qualcomm社などが相次いで発表したためです。同様のコンセプトの製品はソニーモバイルコミュニケーションズが2012年に発売している他、米Apple社からも販売が噂されており、今後、さらに注目が集まっていきそうです。

 このニュースを眺めながら、果たして自分はスマートウオッチを使うだろうかと考えてみたのですが、「現時点では、使わなさそう」という結論に達しました。スマートウオッチの必要性を考えるに当たって、普段、筆者がいつも身に付けているものを思い浮かべてみました。まず、無くては困るのがメガネ。筆者は極度の近眼であるため、忘れると仕事になりません。

 次にスマートフォン。取材先に行くのも、電車の乗り換えを調べるのも、簡単なメールの返信を書くのも、今はすべてスマートフォンに頼りっぱなしです。そのため、家あるいは会社の机に忘れてきたときには、体の一部を置いてきたようでとても不安です。これ以外に必要不可欠なものと言えば、財布とカギぐらいでしょうか。

 逆に、筆者とって腕時計は必需品ではありません。1990年代後半に携帯電話機を持つようになって以来、これが懐中時計代わりになってしまいました。毎日付けていた当時は腕時計を忘れると、ちょっと気持ち悪い感じがありましたが、今は、たまに付けると違和感があるほどです。

 この腕時計をしなくていいと思っている筆者が、スマートウオッチを使うには、付けていないと不安になるような使い道が必要です。スマートウオッチは今のところ、SMSや通話、音楽プレーヤの制御などスマートフォンのコンパニオンとしての使い方を想定しているようですので、筆者としてはスマートフォンが手元にあれば特に必要ないのではないかと思いました。

 ただ、こうだったらもしかしたら使うかも、という予感もあります。それは“命を守る機能”を備えたスマートウオッチです。

 思いついたのは二つあります。一つは危険な周辺状況をセンシングしてくれるスマートウオッチです。後ろから自動車が来ているとき、最近話題の竜巻などが発生したときなどに、積極的に回避行動を促すものです。

 もう一つは医療的なセンサを持ったスマートウオッチです。筆者は、生活習慣を管理しなければならないような持病はまだ持っていませんが、もう少し年齢を重ねると、自分の体と真剣に向き合っていく必要が出てくるでしょう。そんなとき、スマートウオッチが血糖値や血圧、体温など体の変調を感知して、警告してくれ、最悪の場合には119番に電話をしてくれるようになれば必需品に近づきそうです。スマートフォンはカバンやポケットに入れているため、常時筆者を見守るものとなると、手首に巻いたスマートウオッチが一番適していると思います。

 もちろん、記者ごときが考えつくぐらいですから、大手エレクトロニクス企業は研究開発を進めているに違いありません。筆者が体を気にしなければならないようになる頃には、そんなスマートウオッチが一般化していて欲しいものです。