バカと笑われるリーダーが最後に勝つ トリックスター・リーダーシップ、松山淳著、767円(税込)、新書、248ページ、ソフトバンククリエイティブ、2013年7月
バカと笑われるリーダーが最後に勝つ トリックスター・リーダーシップ、松山淳著、767円(税込)、新書、248ページ、ソフトバンククリエイティブ、2013年7月
[画像のクリックで拡大表示]

 笑われながらも最後に勝つリーダーの「トリックスター・リーダーシップ」を松山氏は次のように定義している。

  「アンビバレントを強みとして創造的破壊を引き起こし、
   相対立する世界の境界を越えてしたたかに動き回り、
   ネガティブなものをポジティブなものへと転化し、
   矛盾を統合しながらビジョンを実現する力」

 世のリーダーシップ論の多くはリーダーの優秀さにスポットを当てているが、単に優秀なだけでは困難な状況を突破できない。メンバーの心を一つにして、結果を出していくためには、笑いものになっても先へ進み、自分を変えていく力が必要なのだ。

 この新しいリーダー像を具体的にイメージしてもらうため、松山氏は、偉業をなし遂げた歴史上の人物のトリックスターぶりを紹介している。

 「うつけ者」と笑われながら天下統一を目指した織田信長、犬猿の仲だった薩摩と長州という対立する勢力の境界を越えて薩長同盟をなし遂げた坂本龍馬、部下を怒鳴りつけるという大人げない一面を持ちながらも優秀な技術者から慕われ続け、創造的破壊を何度もなしとげたスティーブ・ジョブズと本田宗一郎。