今回紹介する書籍
書名:贏在当当
著者:李良忠
出版社:安徽文芸出版社
出版時期:2012年11月

 今月、本コラムで取り上げているのは、『贏在当当(勝利は当当にあり)』。

 今回は、現在の当当網についてみていこう。書籍販売サイトとして不動地位を築いた当当網だが、「百貨店化」に舵を切ってからはあまり芳しい成績とはいえない。2011~2012年に李国慶はそれまでの「世界一の書籍販売サイトになる」という目標を「世界一の中国語ショッピング・サイトになる」と変えている。しかし結果は思わしいものではない。2012年の統計によるとインターネット販売のB2C(企業対個人取引)市場における順位は以下の通り。1位は天猫で52.1%,2位は京東商城で22.3%,3位は蘇寧易で3.6%なのに対し、当当網のシェアはわずか1.2%である(外部サイトを参照)。

 ではなぜ現在当当網はこんなにも苦戦しているのか。

 本書によれば、まずは2006年のC2C(個人対個人取引)市場への参入の失敗が理由として挙げられるだろう。当当網は一度発表したC2C市場への参入をいったんは取りやめ、しばらく後に改めて開始したのだが、システム・トラブルに見舞われ、結局C2C市場への参入を断念しているという。それまでは書籍販売での圧倒的な実績を持ち、また、顧客の忠誠度においても自信を持っていただけにこれは大きな痛手だったのではないか。

■変更履歴
掲載当初、2段落目で当当網のシェアを「12%」としていましたが「1.2%」の誤りです。お詫びして訂正します。現在は修正済みです。 [2013/09/26]